40歳未満の自殺死亡率がもっとも高かったのは石川県
今回の原稿では、若者の自殺者数、自殺死亡率を取り上げる。青少年政策に関しては、「若者」とは18歳未満を指していることが多い。ただ、「若者の自殺対策」の場合、29歳以下をいう。また、フリーターやニート(若者の無業者)の場合は、15歳から34歳。ひきこもり政策では、自治体によっては39歳までを想定している。これらの現状から、この原稿では若者を40歳未満として考える。
40歳未満の自殺者総数は5315人。自殺者数として、もっとも多いのは東京都(676人)。ついで大阪府(326人)。そして、神奈川県(324人)、埼玉県(311人)、愛知県(306人)、千葉県(297人)、北海道と兵庫県(245人)と後に続く。もっとも少ないのは鳥取県(16人)だった。
人口を考慮に入れた自殺死亡率で見てみると、40歳未満の全国平均は10.95。都道府県別でもっとも高いのは石川県(15.28)。ついで香川県(14.99)。そして、宮城県(14.65)、福島県(14.61)と、東日本大震災の被災地が上位になっている。続いて栃木県(13.35)、北海道(13.29)、群馬県(13.29)、長崎県(13.08)などがある。もっとも低いのは死亡者数でも最少だった鳥取県(6.77)。
なぜ石川県で高いのか
石川県は全年齢の自殺者数は155人で、自殺死亡率は13.47。全国平均(16.18)を下回っている。また、石川県でニュースになった自殺事件は多くはない。「石川県自殺対策計画」によると、10代は「学校問題」。20代と30代は「健康問題」、40代は「経済・生活問題」が自殺理由の第1位になっている。そして、年代別の自殺死亡率は10代、20代が増加傾向にあるとしている。
ただ、30代の自殺死亡率(6.50)はもっとも低く、全年齢でも低い自治体だ。「分析はしきれていない」(石川県健康福祉部障害保健福祉課)という。