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 「早期解決」、「国際司法裁判所(ICJ)での裁判」、「日韓両政府と両国企業による財団の設立推進」などを提案していたが、韓国政府の態度に業を煮やしたのか、「韓国政府が司法を尊重するならば、政府が国民に日本との外交戦争も辞さないと宣言すべきだ。韓国の正当性を守ろうとするなら、韓日関係が悪くなることは避けられないと明らかに説明すべき」(チン・チャンス世宗研究所首席研究員、ソウル新聞6月3日)というものまであった。

康京和韓国外相 ©Getty Images

 知日派が仲裁受け入れを声高にしない背景について、他地域の研究者は、「“親日派”の烙印をさらに押されることになる。それはやはり避けたいのでしょう」と話しており、あらためて“親日“と言うフレームについて考えさせられる。

 分かりづらいが、韓国でいう「親日」は、日本の植民地時代に日本に協力したり、そのために同胞に危害をくわえたり、独立運動を妨害した人などを意味する。そんな「親日」という言葉はいまだに関わりたくない、避けたいものであるというのが韓国の現実で、それは進歩、保守という枠にも簡単には収まらない。そして、そんなことが元徴用工などの問題をより複雑化させてもいるのだが。

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第三国の委員を選ぶ期限は7月18日

 韓国の「財団設立案」に日本政府は即日(19日)「国際法違反で応じられない」と受け入れを拒否した。そもそも、その同日には、日本は仲裁委員会設置のための第三国を選定するプロセスに入ることを再び、韓国側に通告もしている。

 韓国では、韓国政府を批判しながらも、「政府の強制徴用の解法、韓日関係回復への始発点に」(京郷新聞6月20日)という声もでている。

 日本が通告した第三国プロセスの期限は7月18日。間にはG20が開催されるが、果たして日韓でどんな言葉が交されることになるのか。