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磯野貴理子問題と空前の皇室ブームにみる、「親近感」と「権威」が大好きな人たち

速水健朗×おぐらりゅうじ すべてのニュースは賞味期限切れである

GWのTV番組で見えた「空前の天皇ブーム」

おぐら 不思議なんですか? 元号が変わったんですよ、当然テレビでは特番が組まれ、ニュースでも取り上げるでしょう。

速水 いや、最初のうちは平成を振り返る企画の特番が多かったんだけど、途中からは完全に皇室の話をやってた。これって、空前の天皇ブームが来たってことでしょう。

おぐら 昭和から平成になった時とは違いますか?

速水 当時、俺は中学生だったからよく覚えてる。あまりのテレビのつまらなさに、みんなが当時まだ新しかったレンタルビデオ屋に押しかけた。それを機にレンタルビデオが普及したの。で、今回はそれがNetflixになる可能性があった。実際Netflixは、平成最後の朝日新聞に裏表4面刷りの大全面広告を出したんだから。でもあまり話題になってない。

 

おぐら 業界人とか一部の人たちはNetflixの話をよくしてますけど、今でもテレビだけを見ている人たちのほうが多数派ですよ。

速水 そこの乖離は激しい。新しいものを受け入れる人とそうでない人と。そういった状況の中で、継続性とコンテンツの話になるわけだけど、天皇家ってもう百何十代も続いていて、本当に継続性の塊というか。

おぐら 価値観の多様化を受け入れることが推進されてはいますけど、一方で多くの人が興味を持つものって、結局は集中するんですよね。

セレブこそが究極のエンターテインメントである

速水 皇室ファミリーがちょうどいいセレブだからっていうのはわかる。それなりの話題性や内部での対立があったりして、さらにゲス不倫とかそういうところまではやりすぎないお上品な安心感がある。

おぐら 歌舞伎の一家とか、相撲の花田家とか、継続性があって、小さい頃から子供たちがメディアに出ているような国民的なファミリーも、常に注目を集めます。

速水 そうね。長嶋一茂と石原良純を見ていてもそう思う。テレビ局からしてみれば、彼らを出すと数字が取れるので本当に露出が多い。

 

おぐら それこそさっき話した、タレントの親近感とも通じますよね。子供の頃から見続けているからこその安心感。

速水 いわばセカンドロイヤルファミリーみたいな。でも生まれながらに知名度のある二世・三世たちが、結局は視聴率のとれるタレントになっている構図って、すっごく希望から遠い話じゃない? これは日本に限らず海外でもそうだけど、セレブって最も単純化されたエンターテイメントの究極だよ。