「会社を辞めて良かった!」という40人の体験談をまとめた『さらば! サラリーマン』が刊行された。その中から“ペットショップの社員”から“鷹匠”になった吉田剛之さんのケースを紹介する。

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収入はサラリーマン時代と同程度

 鷹匠は今も存在している。それは分かるが、鷹狩りは実際に稼働しているのか。せいぜい何かの催事の際、客集めで鷹を上空に飛ばしている程度ではないのか。

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 現代の鷹匠である吉田剛之さん(株式会社鷹丸社長、45歳)を石川県小松市に訪ね、お話を聞く前には正直そう思っていた。だが、吉田さんの話によれば、鷹は実用に使われている。それも工業生産の第一線、工場で実際に働いているという。驚いた。

「工場は屋根が高く、冬も暖かい。出入りできる空間も多い。そのためドバトが巣づくりして工場内に入り込みやすい。出来上がった製品に糞を落とせば出荷できないし、金属を腐食させる。カラスも工場をねぐらにして糞害を引き起こすことがある。

鷹を放てば効果抜群! ©iStock.com

 で、こうした鳥は害鳥になるわけで、これを追い出すとなると難しい。目玉型バルーンを上げたり、有刺用具やネットを張ったり、薬剤を撒いたり、それぞれ工夫をこらしても効果がなく、 最後、私どものところに『どうにかならんやろか』と打診がある。もちろん喜んでやらせてもらいます。鷹を放てば効果抜群ですから」

 現在、吉田さんの会社には鷹が11羽、フクロウが3羽いる。従業員はいないが、営業的にはペイしている。収入はサラリーマン時代と同程度という。