安倍晋三首相に対して野党が提出した問責決議案が25日の参院本会議で否決された。このとき、反対討論の自民党代表として壇上に立った三原じゅん子参院議員のスピーチが話題を呼んでいる。三原氏がどのような考えを持っているのか、過去の発言を追った。
三原じゅん子 自民党・参院議員
「民主党政権の負の遺産の尻拭いをしてきた安倍総理大臣に感謝こそすれ問責決議案を提出するなど全くの常識外れで、愚か者の所業とのそしりは免れない」
NHK政治マガジン 6月24日
趣旨説明で立憲民主党の福山哲郎幹事長は「安倍総理大臣は、なぜ予算委員会に出てこないのか」と与党によって約3ヶ月にもわたる衆参予算委員会の審議拒否を責めたが、これに対して自民党の三原じゅん子氏は「愚か者の所業とのそしりは免れない」「恥を知りなさい」と反論した。
「大切な年金を『政争の具』にしないでいただきたい」
もう少し三原氏の討論の内容を見てみよう。
「国民にとって大切な大切な年金を『政争の具』にしないでいただきたい」と切り出した三原氏は、「野党のみなさんは年金を増やす具体策を持っているのでしょうか?」と問いかけ、「民主党政権の3年間、年金支給額は増えるどころか、引き下げられていた。はっきり言って無為無策だった」と過去に目を向けた。
その上で「民主党政権の『負の遺産』の尻拭いをしてきた安倍首相に感謝こそすれ、問責決議案を提出するなど全くの常識外れ」と非難した(zakzak by 夕刊フジ 6月25日)。「まさに悪夢だったのです」とも言っている(日刊スポーツ 6月26日)。
年金問題を政争の対象にしないでほしいというのは安倍首相の主張とまったく同じ。「悪夢」という表現も安倍首相が野党攻撃のために使って話題になったものだ。また、野党からの「具体案」は19日の党首討論で示されたが、安倍首相はほとんどまともに応えなかった。
今回の三原氏の反対討論は、安倍首相のいつもの主張を歯切れよくしたものにすぎない。日刊スポーツの政治コラム「政界地獄耳」によると三原氏の登板は安倍首相の指名だという(6月26日)。
過去にはあの問題発言
三原じゅん子 自民党・参院議員
「皆様方にご紹介したいのがですね、日本が建国以来大切にしてきた価値観、八紘一宇であります」
ハフポスト日本版 2015年3月17日
三原氏の発言でよく知られているのが、この「八紘一宇」だ。2015年3月16日の参院予算委員会で、多国籍企業の租税回避について質疑している際、唐突に「八紘一宇の理念というものが大事ではないかと思います」と語り始めた。