前半の楽天イーグルスは40勝40敗2分、勝率5割(4位)で折り返した。ただ普通に折り返した訳ではない。10連敗という長いトンネルから抜け出したのは先週の火曜日。マウンドに上がったのは今季初先発のエース・則本昂大選手だった。
イーグルスファン誰もが待ちに待ったホームでの復活マウンド。プレイボール直前、スタジアムDJ・千葉マサト氏のコールで名前が呼ばれた瞬間、鳥よりも鳥肌が立ったファンも少なくはなかったはずだ。
則本選手は今年の3月に右肘のクリーニング手術をした。その後、リハビリ期間を乗り越え、6月に登板した2軍の試合でも150キロを超える真っすぐでバッターを翻弄し、満を持して1軍での復活登板を果たした日であった。投げては6回3安打無失点6奪三振で白星をもたらし、見事にチームの連敗を止めたのだ。
お立ち台で「自分のいる場所はここだなぁと思いました。この先フル回転するために手術を受けたのでバンバン飛ばして勝っていきたい」と話した後の則本選手に直撃取材した。
則本を楽にさせた一番の理解者
河内「ぶっちゃけた今の気持ちを教えてください」
則本選手「いやぁ、めちゃくちゃホッとしています! 本当にお待たせしました! 色んな人からエールをもらったし、前半はチームも順調に飛ばしていたので、早くみんなの元に戻りたいという気持ちが大きかったですね」
河内「10連敗を絶対止めてやろうという気持ちは強かったのでは?」
則本選手「復帰するって決まった時は、(それまでに)早く止まってくれーとは思っていました。ただ、昨日の試合も見ていてチームが苦しいなぁと感じていたので、何とか僕が投げて流れが変わればいいと思ってたので勝ててよかったです」
マウンド上での気迫もさることながら、試合を観ている我々に安心感とワクワク感を与えてくれた。しかもチームが苦しい状況の中で、しっかりと連敗を止めて復活を成し遂げるあたりが則本昂大、我が楽天イーグルスのエースなのである。
則本選手の復帰登板でスタメンマスクをかぶったのは嶋基宏選手。嶋選手といえば今シーズン、腰痛のため6月に一軍登録を抹消された。2軍で調整し万全な状態で、しかも2軍で則本選手の球を受けて、7月6日に再び1軍昇格を果たした。
若手キャッチャーが力を発揮している中で、平石監督は「誰よりもこのチームで経験を積んでいる。チームに与える影響が大きい存在」と評している。
その嶋選手が2回に先制タイムリーを放って、則本選手を楽にさせ、好リードで勝利に導いたのだ。嶋選手はお立ち台で「ノリ(則本選手)が投げているので、ここで打たないと怒られると思った。打てて良かった」と笑いながら話した。
河内「今季初登板は嶋基宏選手とのバッテリーでしたね」
則本選手「ファームでも3試合とも嶋さんが球を受けてくれたので良かったです。これまでの6年間も沢山の球を受けてくれているので、なんの迷いもなく嶋さんのミット目掛けて投げました」
信頼関係が築けている2人の阿吽の呼吸。則本選手のルーキーイヤーから誰よりも球を受けてきた嶋選手。初めて右ひじにメスを入れたエースの悔しい思いや、焦ってはいけない思いなどを一番理解していたのは嶋選手だと思う。