春と秋の名物番組と言えば『オールスター感謝祭』(TBS)。
豪華な顔ぶれが並ぶことが生み出す「のぞき見感」
あの特番の売りはなんだろう。「誰がクイズで優勝するか」だろうか? いや、それを目的に見てる人は少ない気がする。それより豪華な顔ぶれが並ぶことが生み出す「のぞき見感」ではないか。
今は廃止されたらしいが、かつては「休憩タイム」というのがあった。スターが食事をとりながら談笑している。その場所にもカメラが入る。おまけ的なコーナーだが「あの人とあの人が喋ってるぞ」「こちらは意外な組み合わせだな」と視聴者はのぞき見感が楽しめた。
でもそのうち気づくのだ。その「見られ方」はタレント側も承知だろうと。むしろ野次馬心をわかったうえで休憩タイムに臨んでいるだろうと。もしかしたら“誰と談笑するか”を見せつけたり、張り切るタレントだっているだろう。
実は「外交」もそうかもしれない。
休憩タイムに目が行った「G20」
先週「G20」が大阪で開催されたが、オールスターが揃う会議よりも「2国間外交」に注目が集まった。ある意味休憩タイムに目が行ったのだ。たとえば次の記事。
「トランプ氏『2国間』重視 G20 9首脳と会談へ」(読売6月28日)
9首脳とはオーストラリア、日本、インド、ドイツ、ロシア、ブラジル、サウジアラビア、中国、トルコ。
《得意とする1対1の取引で有利な合意を引き出す思惑がありそうだ。》(読売・同)
トランプはG20という「感謝祭」は本番のクイズではなく最初から休憩タイムが目当てだったことがわかる。
日本の首相はどうか。
「首相、19首脳と会談」(産経新聞6月26日)
《参院選を控え、G20サミットで議長を務める首相にとって、外交手腕を示す格好の場となりそうだ。》(産経・同)