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文大統領と談笑しないという「見られ方」を選んだ
ホスト国として精力的だった安倍首相だが気になる記事もあった。
「日韓首脳、立ち話もせず」(朝日6月30日)
「首相、文氏を夕食会で別テーブルへ…際立つ関係悪化」(読売新聞オンライン6月30日)
読売には《徴用工訴訟問題を巡り、日韓請求権・経済協力協定に反する状態を放任している韓国に対し、首相の厳しい認識を示す狙いがあるとみられる。》という解説があった。
「オールスター感謝祭」では誰とイチャイチャするかも見せ所だが、「G20」では「誰と談笑しないか」も強い意味を持つことになる。安倍首相は文大統領と談笑しないという「見られ方」を選んだのだ。
ちなみに対中国ではどうだったか。日中首脳会談は「つかの間の蜜月」(日経)と表現された。つまり、この手のお祭りでは一時的に諸問題を棚上げしてでも仲良くしてみせる。でも韓国とはそういう演出すらしなかったことがわかる。
ホスト国として禍根を残すことにならないだろうか。それとも韓国への見せしめは成功だったのか?
すると……
最大のサプライズはそのあとに待っていた。
「米朝韓そろい踏み 実現」「文氏 南北対話に期待」(読売7月1日)
電撃のトランプ・金正恩会談。ああ、これぞ究極ののぞき見(2国間外交)ではないか。そこにしっかり混じる韓国の文大統領。
周到に練られた政治ショーだろうが、3人がこれを見せつけた結果「G20ショー」を食ってしまった。文大統領に至っては「ひっくり返してやった」感もあるだろう。
発信力の強さというか、外交の狡猾さを見せつけられた。