「京葉線」の表示を見た瞬間、意識が遠のいた
調査開始から4時間が経過、忍び寄る重い疲労。これは比喩ではない。私の両手には行くところ行くところで購入したパンの袋があり、ずっしりと指に食い込んでいたのだから。上方にあった「京葉線」の表示を見た瞬間、意識が遠のいた。京葉線のホームはほとんど隣駅の有楽町の地下に位置していてとんでもなく遠いことを思い出したのだ。あれは有楽町駅だと言い張り、見て見ぬ振りをしようかと思ったが、私にもひとかけらの良心が残っていたようだ。足を引きずるように歩みだした。
無駄足ではないか。あったらあったで数えるの大変だな…。長い通路を歩みながら去来する様々な思い…。改札口にたどりつくと、やっぱりあった! ベーカリーas Leafに44種。さらに、成城石井が充実の品揃え28種。(合計567種)
完全制覇に向けての最後の難関とは?
ついに京葉線を制覇。でも、長い通路を歩きながら、私の心は晴れなかった。やはり入らなくてはならないのか……。完全制覇に向けて最後の難関が残されていた。新幹線改札内という隔てられた場所。もう数え終えたキオスクだけなのか、まだ見ぬパンがあるのか。確信できない以上、確かめる他はない。入場券を買って中へ。
そこにあった弁当屋DELICA STATIONは先ほどまでと趣きの異なるものだ。JR在来線がJR東日本であるのに対し、東海道新幹線はJR東海。売店もJR東海系が運営するため、品揃えがちがうのだ。新手のサンドがカツサンド中心に6種類。スターバックスもあり、9種類。(合計582種)
へとへとだが上らねばならない。エスカレーターでホームへ。16両編成の長いホームを端から端まで歩いて調査。小さな駅弁屋で新たに3種、キオスクでもヤマザキのパン3種。そして見逃すところだったが、コーヒーショップGIO ORGANIC CAFEにサンドや菓子パン21種類を確認。(合計609種)
東海道新幹線だけではない。東北・上越・長野新幹線だってある。こっちJR東日本だから、もうないだろう。とは思っても確信には至らず。最後の力を振り絞り、入場券を自動改札機に投入。あった! ベックスコーヒーショップを忘れていたではないか。ここにも6種のあたたかなサンドがある。(合計615種)
最後の戦い。約400メートルのホームを端から端まで歩く。キオスク、NEDAYS一軒一軒新たなパンがないかどうか確認。果たして…「駅弁屋」という名の駅弁屋を覗くと、米の弁当に混じってたった1種類、昔なつかしカツサンドを発見。この1種を加えて合計616種となった。17時23分。見上げた空はすでに真っ暗。5時間7分に及ぶ戦いはこうして幕を閉じた。(合計616種でFINISH!)