厚生労働省が2017年に発表した統計によると、日本人の平均寿命は男性「81.09歳」、女性「89.26歳」と、過去最高を更新し続けている。「人生100年時代」と言われるなか、「QOL(生活の質)」の向上は、現代人にとってますます重要な課題となっている。中でも性生活は、人間らしい暮らしを送る上で避けて通れないテーマだろう。人は何歳までセックスできるのか――かつて「週刊文春」で話題を呼んだ本企画は、これからを生きる現代人にとっても示唆に富む。あらためてここに公開する。

 今回のテーマは、水素水。その知られざる効果について取材した。


※「週刊文春」2012年10月11日号より転載。記事中の年齢や日付、肩書き等は掲載時のものです。

水素の入浴剤を使い始めたら……

 水素ブームをご存知だろうか。2012年9月に「はなまるマーケット」(TBS系)が美肌や若返り効果があるとして「水素水」を取り上げるや、大反響が起こった。

 大手飲料メーカー「伊藤園」はこう言う。

「通販で水素水の発注が毎月平均3000ケースあるのですが、放送から2日間で3000ケースの注文がきて、通販用ホームページがパンクしました」

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 九州のメーカー「KIYORAきくち」も、「生産が追いつきません。最近、工場を新設して生産量を5倍に上げたばかりなんです」と嬉しい悲鳴を上げる。

 女性誌でも何度も特集が組まれる「水素商品」だが、次のような話はまったく報じられていない。

「水素の入浴剤をお風呂に入れ始めたら、奥さんが風呂上がりに胸をはだけるようになり、長年、セックスレスだったのに、急にムラムラして始まった」とか、70代の元官僚が「俺はEDにならない」と豪語し、「俺が現役でいられる秘訣は、水素水」と言い出したり。研究者たちの間では、「60代、70代の人が勃つようになったという話をしていて、みんな“水素”が手放せないと言っている」と話題で、“裏のテーマ”と言われている。

 後述するが、水素製品を服用してセックス観そのものが変わった中高年もいる。美肌などアンチエイジングを謳う商品が、裏では「性の復活」を密かに語られているのだ。