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マウス実験が明らかにした水素の力

 もともと水素の医学的効果を世界に知らしめたのは、細胞生物学の権威、日本医科大学大学院の太田成男教授である。07年、太田教授ら研究グループの論文が、世界的な医学誌『Nature Medicine』に掲載された。以来、国内では40の大学や研究所が研究を始め、現在では250本近くもの論文が発表されている。

 水素が導き出す様々な研究結果は、“奇跡”としか言いようがない。先駆者である太田教授本人が、「何かの間違いか」と思うことは何度もあったという。

「半身不随状態のマウスに水素水を飲ませると、マウスが元気になった。嘘だと思い、研究生に実験をやり直すよう指示しました。すると、また同じデータが出る。また失敗したのかと思って調べると、間違っていないんです。

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 遺伝的に動脈硬化になりやすいマウスに、半年間水素水を与えると、水素水を飲ませないマウスと明らかに差が出た。これも、最初は間違いかと思いました」

認知症、メタボ……教授のシミにも効果が

 ピッツバーグ大学でも、同様の出来事があった。マウスの臓器移植を行う時、免疫抑制剤を使わなければ、8割以上が免疫抗体で拒絶反応が出て死ぬ。ところが、水素水を飲ませると7割が生き残った。研究していた教授は、部下がデータを捏造したと疑い、ダブルブラインド・テスト(二重盲検試験)を行うと、やはり同じ結果が出たのだ。

 太田教授が言う。

「認知症の実験で、マウスを狭い所に押し込めてストレスを与えると、マウスは頭が惚けます。しかし、水素水を与えると、そうはならない。また、脂肪代謝にも効果があり、メタボにならない。水素摂取の方法は、水素ガスの吸入、水素水、点滴など、いろんな方法を試しています」

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 生活習慣病への効果は画期的である。食欲を自分で調節できずに食べ続けるマウスに、水素を吸入させると、食欲を調節して体脂肪が下がり、血糖値、インスリン、中性脂肪を改善。

 他にも、打ち身によるアザやシミが消えた例がある。太田教授の顔写真を見ると、54歳の時にあったシミがなくなり、60歳の写真の方が皺もなく、若く見える。

「痛風の学生の尿酸値を毎日測定していて、酒を飲んだ後はグッと数値が上がるのに、2リットルの水素水を飲ませると尿酸値が下がりますね」(太田教授)