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初めてのダンスパーティーに参加
その年の冬、大学では恒例のダンスパーティが開催されようとしていた。男性はタキシード、女性はドレス姿で出席して、バンド演奏でワルツを踊る。雅子さんは皆から誘われたが、ワルツは踊ったこともないし晴れがましい場所は苦手だといったん断った。ぎりぎりになってようやく決意して、現れたという。青いドレス姿の雅子さんは、友人の後ろに隠れるようにしていた。まず、初めてワルツを踊る人のために簡単なステップのコーチを受ける時間があり、何度も失敗しながらいざ本番へ。雅子さんはリラックスする余裕もなく口元をきゅっと結んでいたが、堂々と踊って見せた。寮生たちから「初めてにしては、中々、上手だった」と褒められたが、はにかみながら笑うと、また友人の後ろに戻ってしまったそうだ。
図書館に夜遅くまで残り、勉強をする常連だった
大学2年からは、煉瓦造りで鐘つき塔のある別の寮「ロウウェルハウス」に移った。同室のプエルトリコ人の医学部生、オーウェン・ベーカーさん(通称ジージー)と中国系アメリカ人のリーサさんと映画や買い物などにも出掛けた。
そんな息抜きはたまのことで、雅子さんは、1日8時間以上も勉強をする日を続けていた。寮の図書館で夜遅くまで勉強する常連だった。図書館では毎週ティーパーティが開かれており時折出席した。寮で起こっている問題から社会情勢まで、多様な議題で寮生たちと交流を深めた。