いつの時代も、成績アップには効率的なノート作りが欠かせません。実際の試験会場にまで持って行きたくなるようなノート作りの秘訣を書いた『東大合格生の秘密の「勝負ノート」』刊行に合わせて、旺文社デジタル編集部に「ノート作りに役立つおすすめ参考書」を寄稿していただきました。
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この連載では、先生や編集者、東大合格生など、受験の達人がノート作りに役立つイチオシの参考書や学習方法をご紹介していきます。第3回のテーマは「数学」です。
弱点克服を遠ざけるのは、すぐに解答を見るクセ
問題集に取り組んでいて、解けない問題があった時、すぐに解答を見て満足してしまうことはありませんか?
そのまま放置すると、弱点を残したままになってしまいます。
特に、数学は暗記が通用しにくく、弱点克服が難しい教科です。弱点を克服した上で難関大の入試に臨むにはどうすればよいでしょうか。
弱点克服のコツを、現役東大生の今野翔太さんに聞きました。
「解答には、必ずポイントとなる箇所があります。
苦手分野の場合、解答のポイントがどこなのか分からないため、正解にたどり着くことができません。
はじめは解答の中に余分な記述を多く書いていても、何度も問題を解いているうちにポイント以外の部分は不要だと気づきます。それを繰り返すことで、正解に近づいていきます」
受験生の頃は1冊の問題集をすべて正解できるまで解ききったという今野さん。間違った問題に印を付けて、一つ一つこなしていったそうです。
「すべて解ききった時に達成感が得られました。楽しんで勉強をしていると記憶にも残りやすいです。
人によって方法は異なりますが、自分なりのルールを設けると勉強がはかどると思います」
実際に『東大合格生の秘密の「勝負ノート」』では、問題を解くための方針などをP(ポイント)T(テクニック)A(アテンション)と名付け、遊び心を持って問題のポイントをまとめたノートを紹介しています。(P41参照)
勉強にも遊び心を見出すことが、東大合格生の共通項の一つなのかもしれません。
合格に必要な「解答のポイント」をおさえるには
『数学I・A標準問題精講[改訂版]』(旺文社)は、解答のポイントをおさえるためにおすすめの参考書のひとつです。
「精講」や「解法のプロセス」にある丁寧な解説の中には、解答のポイントとなる箇所が分かりやすく記載されています。
本書の担当編集者は「応用問題にも対応できる基礎を身につけるために、必要な問題を厳選しました。他書と比べて薄く感じるかもしれませんが、それは無駄を削ぎ落とした結果です」と語ります。
解答をノートに書きながらじっくり考え、つまずいたポイントを理解しながら1冊を最後まで解ききる方法がおすすめです。自分なりの「解法のプロセス」で解答のポイントをまとめるのも良いかもしれません。
1冊をすべて解ききった時には、難関大合格に必要な基礎学力が身についているでしょう。
数学をさらに深く理解したい人には『総合的研究 数学I+A』(旺文社)もおすすめです。
また、基礎学力を身につけた後は、「青チャート」として親しまれている『新課程 チャート式基礎からの数学I+A』(数研出版)や『1対1対応の演習』(東京出版)で、応用問題にも挑戦してみましょう。