デビューシングル「夜明けのスキャット」発売から50年の節目を迎えた。アルバムのリリース、全国ツアーなど、記念企画が目白押しだ。ニューアルバムには、アンジェラ・アキ、いきものがかりの水野良樹など、今どきのミュージシャンたちが作詞・作曲を手がけた楽曲が並ぶ。

「先人たちが歌詞に紡いできた美しい日本語。聞き手に想像の余白を残す選び抜かれた言葉。これらを丁寧に歌い継いで残していきたい、という思いでこれまでやってきました。ところが今の若い人たちが使う日本語は、表現がストレートだし、言葉数が極端に少なくてかなりヤバイ状況でしょう?(笑)でもそれに抵抗があると言っているだけでは前には進めないと思ったんです。だったら彼らの言葉を取り込んでどこまで歌えるか、新しい一歩に挑戦したいと。だからアルバムのタイトルは『BEGINNING』なんです」

由紀さおりさん

 もう一つのチャレンジが、特別記念公演「夢の花~蔦代という女~」だ〔9月6日~8日。東京・観世能楽堂にて〕。

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「デジタル化された今の音楽シーンでは、歌い手の人間力があまり必要とされなくなってきました。でも私は、これからも自分の肉体を徹底的に駆使した表現にこだわっていきたい。これぞ自分の道と思っているんです」

 歌、三味線、踊り、芝居をすべて一人で行う舞台は、この言葉を体現するものとなりそう。期待が高まる!

INFORMATION

特別記念公演「夢の花~蔦代という女~」
9月6日~8日 東京・観世能楽堂
https://www.meijiza.co.jp/others/

50年記念コンサート
7月より東京・大阪・京都・神戸・福岡など全国20数カ所を巡る
http://www.yuki-yasuda.com/schedule/#area2