秋篠宮ご夫妻は6月27日から7月6日までの日程でポーランドとフィンランドを公式訪問された。秋篠宮さまは皇嗣となられてから初となった外国訪問を前に、記者会見で「公務の在り方」について問われ、次のように答えられた。

 そのご回答が、宮内庁内で波紋を呼んでいる。

「(公務とは)つまり国事行為ということになりましょう。(中略)ただ、これは国事行為ですので、行うことは決まっています。ですので、在り方というのは、なかなか、私が何かを言うということではないと思っております」

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ポーランドとフィンランドの公式訪問を終え、訪問国の駐日大使らの出迎えを受けられる秋篠宮ご夫妻。7月6日午前、東京・元赤坂の赤坂東邸 ©共同通信社

15年前は「公務は受け身的なもの」と仰っていたのに…

 宮内庁関係者が語る。

「確かに昭和の時代には戦後、現人神から象徴へと天皇の立場が変わったことに伴い、公務は厳密には『国事行為』を意味し、国体開会式臨席などは『公的行為』、願い出によって赴かれる芸術鑑賞などは『その他の行為』とはっきり分類されていました。

 ただ平成の御代に入り、上皇陛下が天皇として年間を通じてさまざまなお仕事に熱心に励まれ、被災地訪問や太平洋戦争の慰霊の旅など新たな“平成流”を確立されていくなかで、いつしか国事行為だけでなく、公的行為、その他の行為、さらには宮中祭祀までも含めて公務と呼ぶようになっていったという経緯があります。秋篠宮さまは皇嗣となられたことで、突然、昭和時代の原理原則に立ち返ったかのようなご発言をされたのです」

 秋篠宮さまは公務について、2004年の誕生日会見で「私は公務というものはかなり受け身的なものではないかなと。こういう行事があるから出席してほしいという依頼を受けて、それでこちらもそれが非常に意義のあることであればそれを受けてその務めをする。私自身はそういうふうに考えて今までずっと来ています」と述べられている。

「公務は受け身」発言をされた2004年11月の秋篠宮さま誕生日会見。当時の皇太子さま”人格否定発言”については「残念」とも仰った ©共同通信社

これまではご両親の”代弁”が多かった?

「にもかかわらず、秋篠宮さまは令和となって公務の定義が再び昭和時代に戻ったかのような発言をされたわけです。これまで秋篠宮さまは記者会見でもアドリブで発言をするなど、比較的自由に話されてきた。だからこそ昨年の誕生日会見で、政府がすでに国費の支出を決定していた大嘗祭について、『私はやはり内廷会計(編注=原資が税金という点では広義の国費ではあるものの狭義の国費ではない費用)で行うべきだと思っています』と政府の決定を公然と批判するかのような発言をされるなど、そのご発言はたびたび物議を醸してきました。

 そうしたご発言には、天皇・皇后としての上皇・上皇后両陛下のお考えを代弁するようなものが多かったのです。しかし、御代替わり後の記者会見で、それが“一変”したという印象はぬぐえません。今回の会見では皇位の継承についても、『これは制度に関係することでありますので、私からのお答えは控えさせていただきたいと思います』と“優等生的”な発言をされました。だから庁内には驚きをもって受け止めた職員が多いのです」(前出・宮内庁関係者)