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2019/07/21

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会, 政治

安倍首相にとって5歳下の天皇陛下は……

 ところで宮内庁のホームページには、「天皇陛下に対する総理内奏に関する記事について」とする文章がアップされている。その内容は「5月16日付けの毎日新聞朝刊は、同14日の天皇陛下への総理の『内奏』を報じる記事の中で、『関係者によると、首相は「前の天皇陛下はいつも座ったままだったが、今の陛下は部屋のドアまで送って下さって大変恐縮した」と話した。』と伝えています。(中略)上皇陛下が、座ったまま総理をお見送りになることはあり得ません」と新聞記事の内容を否定するものだ。

「内奏は天皇と首相だけの密室で行われるので、確かなことは言えませんが、上皇陛下を畏怖していた安倍首相は退出時に上皇陛下のことをよく見ていなかったことが、『(上皇陛下が)いつも座ったままだった』と思った原因ではないでしょうか。ホームページには『官邸に記事内容の事実確認を求めましたが、総理は記事にあるような発言はしていないという回答でした』と綴られていますが、何か発言がなければこのような新聞記事が出るとは思えません。

©共同通信社

 逆に言えば、安倍首相は天皇陛下には臆することなく接することができるということだと推察できます。だからこそ、大変恐縮したという発言になったのでしょう。新元号発表の直前に東宮御所に2度足を運んだのも、こうした安倍首相のメンタリティーが影響したと考えるのが妥当ではないでしょうか」(同前)

雅子皇后が張り切る“皇室外交”、政治との距離は?

 米露中をとりわけ重視する安倍首相が国賓招聘という切り札を連発している背景には、国の大小で区別をしなかった上皇陛下と比較して、天皇陛下には懇請しやすいという側面があることは間違いないだろう。ただ、別の側面も考えられる。雅子皇后の存在だ。

 政府関係者が語る。

「外交官試験にパスして外務省に入られた皇后陛下は、父親の小和田恆氏も外務事務次官や国連大使などを歴任した大物外交官として知られています。外務省ではアメリカ大使は事務次官よりも上の最高ポストです。また、省内にはロシアスクールとチャイナスクールという特別な言語圏をテリトリーとする2大勢力もあります。皇后陛下が持たれている価値観にも、そういった外務官僚の“DNA”は受け継がれているはずです。

外交官時代の雅子さま ©共同通信社

 また、皇后陛下は天皇陛下の『外交官として仕事をするのも、皇族として仕事をするのも国を思う気持ちに変わりはないはず』というお言葉で結婚を決意されています。皇太子妃時代は当初、お世継ぎ問題に悩まれ、なかなか外国訪問がままならず、いつしか長期病気療養に入られました。しかし、皇后となられて、ご夫妻でいよいよ日本の国際親善の主役となられたのです。華々しい国賓招聘の背景には、安倍首相の思惑だけでなく、天皇陛下の背中を押される皇后陛下の存在もあるのでしょう」

“皇室外交”などとも呼ばれる皇室の国際親善は今後、どこへ向かうのか。政治との距離はどうなっていくのか。いまだに完治していない雅子皇后の外国訪問は、果たしてどうなるのか。当面、目が離せそうにない。

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