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トヨタもポルシェも月額制で乗り放題!「車のサブスク」がミレニアル世代を取り込んでいる

『サブスクリプション 製品から顧客中心のビジネスモデルへ』(角川新書)

2019/07/24

「消費者に購入を促す時代は終焉を迎えようとしている」。ジャーナリスト・雨宮寛二氏による話題の書籍『サブスクリプション 製品から顧客中心のビジネスモデルへ』(角川新書)の一部を特別公開!

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 公共料金や新聞・雑誌などのレガシー・サブスクからスタートしたサブスクは、インターネットの商用化と共に、映像や音楽ストリーミングなどのサブスク・コマースへとその領域を広げてきました。今では、アパレルや美容、食品など次々と新たなサブスクが生まれ、人々の生活や暮らしに浸透しつつあります。所有から利用への移行という潮流は今後、あらゆる分野のモノやサービスを飲み込んで、サブスク化していくことになるでしょう。

 それでは、最近どのような製品やサービス、コンテンツがサブスクを取り入れているのか見ていくことにしましょう。サブスクはさまざまなモノに取り入れられていますが、そのひとつが自動車業界です。この業界における技術の進歩は目覚ましく、ガソリン車やディーゼル車から始まり、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車、そして、自動運転車へと開発が進みつつあります。それゆえ、現在、自動車業界は、過度期にあると言えるでしょう。

 そうした中で、日本では、トヨタが大手自動車メーカーの中でいち早くサブスクを導入する意向を打ち出し、従来モデルの自動車単品売りであるアラカルトから「自動車のサービス化」の流れを創り出そうとしています。

記者会見する「KINTO」の小寺信也社長(左) ©時事通信社

トヨタの定額制乗り放題サービス「KINTO」

 2019年2月にトヨタは、定額制乗り放題サービスである「KINTO」を開始しました。開始したのはトライアルという位置付けですが、既に、100%子会社のトヨタファイナンシャルサービスと、住友商事グループの住友三井オートサービスの出資のもと、新会社「KINTO」を設立していることから、本格的にサービスを展開する体制を整えていると言えます。

 KINTOは、孫悟空が操る筋斗雲のように必要な時に車に乗り、利用シーンに合わせて車を乗り換え、不要になったら返却するというコンセプトをイメージした名称で、利用者がもっと気楽に楽しくクルマと付き合っていける新しいクルマの持ち方を提案しています。