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傑作「大根サンド」が姿を消した理由とは?
「変化を恐れるのではなく、おいしくなることが一番大事」と原田さん。
長い歴史の中で、卵もヨード卵・光に、豚も三元豚にグレードを上げるなど、見えない部分での変化は数え上げれば切りがない。
実は、トレードマークのシロクマも、昔は横向きだったそう。デパート出店を機に、気持ちも新たに前を向いて進んで行こうという思いが込められている。
一方で、果敢にチャレンジを続けるがゆえの失敗も。
「傑作といわれながらも消えてしまったのが大根サンド。大根の千切りをマヨネーズで和えて、ハムとキュウリと一緒に挟んだもので、歴代のメニューの中でも上位に入るおいしさでした。ところが時間が経つと水分が出て臭くなり、あえなくお蔵入りになりました」(土肥さん)
その経験を生かし、現場の声にも耳を傾け、メニュー開発にも積極的に反映。
メルヘンの店舗にはベテランのパートさんも多く、特に製造スタッフは精鋭が揃う。
具によってつくる難易度が異なるので、初級はパンに挟むだけの揚げ物、中級はグラム数を揃えるツナやタマゴ、そして上級になって初めて、溶けやすい生クリームを使ったデザートサンドを担当できる。
そして、透明な袋に一点もクリームを付けずに奥まで詰めることができれば一目置かれる存在に。
サンドイッチの並べ方にもルールがあり、ひとつひとつの商品が際立って見えるような工夫がなされ、カラフルで楽しいショーケースを演出している。
「今日も変わらずおいしさを大切な人へ」
夢のあるサンドイッチづくりを目指し、メルヘンの厨房に掲げられたこの思いが、小さな三角形の中にぎゅっと詰まっている。