訪日外国人旅行者から支持されるワケ
こうした業界の現況であるが、レジャーホテルは目下、訪日外国人旅行者に注目されている業態だ。立地や設備といった条件の良さに加え、都市部の一般ホテルが過度な料金変動に走る中、基本的にシーズンによる料金変動とは無縁。ネガティブな先入観のない訪日外国人旅行者から支持されるのは理解できる。淫靡なイメージが少ない施設がその対象なのかと思いきや、“ラブ”を追求する施設もある種の「クールジャパン」として注目されているという。レジャーホテルの軒数は、後述の通り定義付けが難しく、多様な形態があるので正確なカウントは難しいが、7000軒弱といわれている(ただし事業継承の問題などもあり年間100軒程度の廃業も見られる)。一般のホテルが1万軒程度といわれているが、比較しても見劣りしないかなりのボリュームだ。
スタッフの英語対応に力を入れる施設も
ホテルにとって集客の要となる国内外の宿泊予約サイトであるが、特に海外の予約サイトはインバウンドの取り込みには必須。レジャーホテルの掲載に規制のあった日本の宿泊予約サイトに先駆け、海外の宿泊予約サイトではいち早くレジャーホテルの掲載をスタートさせたことも大きかった。いまや訪日外国人旅行者が収益の重要な一部と話すレジャーホテル経営者もおり、スタッフの英語対応に力を入れる施設も増えている。ホテル不足が叫ばれて久しいが、訪日外国人旅行者の増加や女子会利用、ビジネスプランの拡充など、レジャーホテルの一般ホテル化といった傾向はさらに強くなっていくものと思われる。
レジャーホテルと一般ホテルとのボーダーは?
宿泊施設カテゴリーのボーダレス化について先述したが、そもそもレジャーホテルと一般ホテルのボーダーはどこにあるのか。レジャーホテルも一般のホテルと同様、ゲストを宿泊させて料金を受領するのであり旅館業法の許可が必須。さらに特有の機器や設備を備える場合は風営法(風俗営業法)の許可も必要となる。風営法の許可が営業条件となる施設であれば、立地や設備など様々な規制に対応しなくてはならない。風営法の適用となるケースとしては、一定の規模以下の食堂やロビー等を設けること、異性を同伴する客の性的好奇心に応ずるために設けられた設備等を有する場合などがある。休憩料金の表示という点や、玄関等の遮蔽があるというのもポイントだ。