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八村塁のNBAドラフト9位指名は何が凄い? これだけは知っておきたい3つのポイント――2019上半期BEST5

2019/08/13
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 日本のスタンダードは高校を卒業したらすぐ大学に入り、4年で次のステップに進むルートだ。しかしアメリカは高卒から1年でNBA入りする特別な逸材もいるし、5年6年とかけてじっくり次のステップに移る選手もいる。

 例えば「レッドシャツ」と呼ばれる仕組みがある。5年間以上の在学を前提に、1年目はチームで練習を積みつつ登録せず、残りの4年間に備える方法だ。八村もレッドシャツを勧められたと聞くが、彼はそれを断った。そして誰もが驚く成長を見せ、1年目からプレータイムを得て経験を積み、2年目はもう全米的な注目株になっていた。

 八村は日本でいう大学4年世代で、2月8日生まれ。アメリカの学校は9月が新学期だが、早生まれの彼はズレの影響を受けていない。10月の開幕を満21歳の若さで迎えることができる。

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年俸約4億円……「お金」が凄い

 ここまで説明すれば凄さは伝わったと思うが、3つ目のポイントとして「お金」に触れよう。NBAはサラリーキャップ(年俸総額制限)があるため、有力選手の突出が抑えられている。にもかかわらずステフィン・カリー、レブロン・ジェームズと言った大物選手の年俸は40億円前後。全選手の平均が7億円程度とされる。

 新人選手の年俸額も「ルーキースケール」と称する順位ごとの基準がある。2019-20シーズンのドラフト9位は371万9500ドル(4億円)だ。変動幅もこの額の80~120%に設定されており、大きく値切られる懸念はない。

 Bリーグでは先日、富樫の基本報酬1億円超えが発表され、大きく報道された。しかし八村は新人ながらそれを大きく超えることになる。

2019年上半期 スポーツ部門 BEST5

1位:筒香嘉智が語った、少年野球における「母親の問題」と「お茶当番」
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2位:箱根駅伝、勝負を決めたのは東海大8区“三上の給水”だった――箱根駅伝2019「TVに映らなかった名場面」復路編
https://bunshun.jp/articles/-/13223

3位:イチローを撮り続けたカメラマンが選んだ「メジャー20年、忘れられない10の名場面」
https://bunshun.jp/articles/-/13222


4位:八村塁のNBAドラフト9位指名は何が凄い? これだけは知っておきたい3つのポイント
https://bunshun.jp/articles/-/13221

5位:鳥取一の進学校・米子東をセンバツに導いた「超合理的思考法」とは
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