マグマがわき出るように、新しいものが次々とわきあがっている。日本のバスケットボール界が時代の転換点にあるのはご存じだろうか。
2月24日。バスケットボールの日本代表が、中東の国カタールの首都ドーハで、今年の初秋に中国で行なわれるW杯出場を決めた。キャプテンの篠山竜青はこう語った。
「日本の夜明けが来たと思う」
1990年代にはマイケル・ジョーダンのいたシカゴ・ブルズの2度の3連覇と、それにともなうNBAブームや『スラムダンク』の空前のヒットもあった。しかし、それらを追い風にすることは出来ないまま、日本バスケットボール界は冬の時代を過ごしてきた。
自力でW杯に出るのは21年ぶり、そして五輪出場は44年ぶり
W杯出場は初めてではないのだが、前回出場したのは13年前で、このときは開催国として特別に出場権が与えられた。その前に、アジア予選を勝ち抜いて出場した機会となると、21年前にさかのぼる。
バスケットボールは他の競技とは異なり、開催国に無条件でオリンピックの出場権が与えられるわけではない。その国のバスケットボールのレベルや成長具合が出場にふさわしいと国際バスケットボール連盟(FIBA)に認められたときにはじめて、開催国に出場権が与えられる。
来年の東京オリンピックを控えているが、現時点で日本代表の出場は約束されていない。そこがサッカーや野球との決定的な違いだ。ただ、21年間も自力での出場から遠ざかっていたW杯の出場権をつかんだため、FIBAが東京オリンピックへの出場権を与えると見られている。日本にとっては実に44年ぶりとなる、オリンピック出場が現実のものとなりつつある。
長く冬の時代を過ごしてきた日本バスケットボールが、新たな時代を迎えようとしているのはなぜなのだろうか。
そこには大きく分けて3つの要因がある。