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我が母校、大分・藤蔭高校率いる監督1年目の26歳“竹下君”の手腕

文春野球甲子園 2019

2019/08/07
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甲子園ベンチ入りの枠を掴んだ“野球バカ”

「お前には未来がある。俺にはもう次はない!」

 当時の竹下部長にそのようなことを言って、監督ともう一人の甲子園ベンチ入りの枠を掴んだのは、御年67歳の“野球バカ”こと石井潔校長先生でした(笑)。(校長先生、ご無礼お許し下さい)

 森平教頭に話を聞くと、「校長のせいで竹下がベンチに入れんかったけの~可哀想に」と笑いながらも「石井校長が5年前、うちの校長に就任した時の挨拶で『夢は甲子園です』っち言いよったんよ。高校野球に関われて嬉しそうにしとったし、本当に野球が好きな人なんやろうな~っち感じやったけど、まさか本当に叶うとは……」と結実した校長の思いにも感慨深そうでした。

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 そんな石井校長は藤蔭の校長兼野球部副部長になる以前は、中学校の校長先生でした。そして校長ながらも、野球部監督も務めていたという“野球バカ”っぷり。放課後になると練習に行くため、校長室には「急用以外は明日来なさい」というような張り紙が貼ってあったとか!?

 パワフルな校長先生ですが、礼儀の面では本当に厳しいそうです。試合後、審判に褒められるようなチームであってほしいと常々話しており、対戦相手の気持ちを考えてガッツポーズをしない、審判の判定には素直に従う、四球を選んでバットを投げない……など監督らと共にプレー以外の大切なこともしっかりチームで共有しています。そういえば、教室の黒板の上に掲げられていた校訓も「規律・礼儀・品性」でした。

 森平教頭から聞く校長先生の話はとても興味深い限りで、是非直接お話ししてみたいものです。そんな校長先生は今年もベンチ入りするのか、おとなしくスタンドから見守るのか(笑)必見ですね。

 校長先生の熱心さ、若き竹下監督の覚悟、そして昨夏の甲子園で星稜に敗れ、先輩たちの思いと共に再びこの舞台に戻ってきた選手たち。見れば見るほど、知れば知るほど、藤蔭の魅力は伝わってきます。たくさんの人が応援していますよ。藤蔭史上初の甲子園勝利を願っています。ふぁいとーいん!

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