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2019/08/08

津田さんを芸術監督に選任したのは誰だ

 で、あいちトリエンナーレの場合は税金を使った大規模な美術フェスティバルですから、そういう不穏当な政治的表現を表に出してやる以上は、どうしても「そんなものに公金を使ってやるのは許されるのか」という議論が付きまといます。当たり前のことですが、そもそもが左翼活動を行うアクティビスト(活動家)である津田大介さんを特に芸術的なバックグラウンドもないのに芸術監督に選任し、芸術作品の選定を行わせた時点で、このような展示が増えるのは最初から分かっていたはずです。いや、むしろそういう人物を選びたい人がいたんだと思うんですよ。

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 当然、津田大介さんを芸術監督にするには愛知県知事である大村秀章さんもGOを出していたわけで、ここで大村さんや名古屋市長である河村たかしさんが「津田大介ふざけるな」「いや、河村のいうことは憲法違反だろ」と揉めている以前に、お前らが選んだ津田大介さんがやらかしたんだからお前らの責任になるわけです。不用意にこの手の作品を選び、展示を敢行する判断をした津田大介さんが燃えるのは仕方がないことですが、周辺にいる大人も一緒に焼け焦げているのはどういう伝統芸能なのかと不思議に思います。

 一方で、津田大介さんというのは以前から津田さんの気に入らない言説について許容しない人物で、津田さんのピュアで誠実な面もありつつ非常に狭量に見える部分もあります。例えば、作家の百田尚樹さんが大学で講演することに反対したり、RADWIMPSの愛国ソング「HINOMARU」に文句をつけたりするのは津田大介さんが自分でずっとやってきた批判です。

 今回は津田大介さんが手がけた作品展に対して批判が殺到したことで展示が中止になるや「表現の自由が脅かされている」と言い募っても「津田大介さん、それはいままであなたが他人に対してやってきた抗議運動と同質のものじゃないですか」という批判も出るでしょう。私個人の経験で言えば、私が書いたヤフーニュースの記事が気に入らなかった津田大介さんが、ヤフーに乗り込んでいってニュース担当者に「山本一郎に記事を書かせるな」と抗議したり、ネットニュース媒体で私が書いていない津田大介批判記事を私が書いたと思い込んで私への批判込みで記事を撤回するよう申し入れメールを送るような人なので、「右にも、左にも不自由な表現があるので平等に展示する」ということなど津田大介さんは毛頭考えていなかったことでしょう。

 山梨で災害が起きていたとき、安倍晋三総理が会食か何かで天ぷらを食べていたのはけしからんと津田大介さんが安倍批判に立ち上がり、見事「天ぷら騎士団」なる批評を呼び起こしたのも記憶に新しいところがあります。

そりゃあまあ燃えるよね、と思うのです

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 津田大介さんはそれまでのアクティビティで沖縄問題にも深く傾注し、辺野古移転を進めたい政府の意向に反対する沖縄県民その他の派閥に寄り添い、政府方針への抗議運動に積極的に参加する一方、評論家・作家の東浩紀さんの強い推薦で早稲田大学教授に就任し、今年は朝日新聞の論壇委員に選任されるなど、政治的に中立を守ろうという人物とは到底言えないのもまた、今回の騒動に拍車をかけた原因のひとつではないかと思います。

 その極めつけは、戦前の昭和天皇のご真影を焼く展示が大きな物議を醸すにあたり、最初はあいちトリエンナーレ広報がせっかく「これは昭和天皇の御真影ではない」という趣旨の釈明をしたのに、その前に東浩紀さんとの対談で津田大介さん本人が「天皇の肖像を焼く」という趣旨の発言をしていて、あーあという感じになるわけであります。そこで嘘をついても意味がないのではないかと思うんですよね。

「天皇の肖像焼くけど、二代前だから大丈夫だよねwww」津田大介の発言が発掘される
https://togetter.com/li/1384272

 これが現代美術として芸術作品として成立するものなのか分からんわけですけど、それ以前にも、不謹慎アートとして文字通り表現の不自由どころか猥褻物陳列で摘発までされてしまった、ろくでなし子さんの作品の展示はないわけです。そればかりか、津田大介さんの選んだ作品群はどうしても左派的な政治的主張が右派などからの抗議によって表現を発表できなかったものが選ばれるので、そりゃあまあ燃えるよね、と思うのです。