立花孝志党首は恐ろしい政治家だ
立花氏はすでに次の衆議院選挙を見据えている。彼が問題視されればされるほど、何が起こるか。次の国政選挙では、各政党が「NHKをぶっ壊すのか否か」に触れざるを得ない状況が作り出されるだろう。N国党・立花氏に反対する世論が、他の政党のマニフェストに伝播する。「N国党の政策は許さない!私たちはNHKスクランブル放送に反対します!」。もしもこんなマニフェストが登場すれば、彼にとってはほぼ勝利なのだ。
おそらく彼は『「NHKから国民を守る党」から守る党』の出現を心待ちにしているだろう。早くNHKの日曜討論で「NHKをぶっ壊さない!」と言う人が現れてほしいと願っている。そろそろ気づいた方が良い。N国党・立花孝志党首は恐ろしい政治家だ。
「NHKをぶっ壊す!」と入力された“AI”
こんなたとえ話がある。「円周率π(パイ)の正確な数値を出せと入力されたAI が、人類を滅ぼし、地球を乗っ取り、宇宙全体を巨大なコンピューターに変え、πを無限に計算し始めた」
一見何でもない目標でも、それを追求する方法は無限にある。人知を超えたAIが制御不能となれば、誰も望まない結果になる可能性がある(参考文献:『ホモ・デウス』ユヴァル・ノア・ハラリ著)。
私は、立花氏にこのAIと同じ恐怖を感じる。入力された目的は「NHKをぶっ壊す!」。今までは、その目的に至る手段が、「憲法」と「法律」と「判例」によって制御されていた。しかし現在、その手段を制御していた「法律」を変え、「憲法」改正の発議に投票できる立場に、彼は辿り着いている。
「正直早く辞めたい。できるだけ早く。ぼくはスクランブル放送を実現できたら辞めると宣言してます」(立花孝志・2019年8月2日 日本外国特派員協会・記者会見)