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落ちたら絶対に這い上がれない“蟻地獄”の城!?

萩原 静岡県三島市にある山中城。理論的にいえば絶対に落城しない城だと思います。小田原城を本拠とする北条氏が秀吉の来襲に備えて改修した、小田原に通じる東海道上の重要な防衛拠点でした。

小和田哲男さんと萩原さちこさん ©文藝春秋

昇太 あの城の最大の特徴は「障子堀」。これは水の張っていない「空堀」の底に、障子のような仕切りを作り、落ちた敵が移動できないようにする仕組みで、当時は滑りやすい関東ローム層がむき出しでした。僕は自分の本の企画で足軽の格好をして堀底に降りたことがありますが、落ちたら最後、絶対に這い上がれない“蟻地獄”だと実感しました。

山中城の「障子堀」 ©AFLO
文藝春秋9月号

「文藝春秋」9月号に掲載した「『難攻不落の名城』日本一はここだ!」では、この他にも姫路城や小田原城、松江城など、城マニア3人が20を超える堅城の魅力について語り尽くしている。