「テレビに乾杯。愛を込めて、IKKO」
―― IKKOさんは共演者の方々には必ず差し入れをされるという話をよく伺います。今日も僕らにまで手土産を頂いて、ありがとうございます。どういうきっかけで始められたんでしょう。
IKKO 私、飲みに行くとか、そういうことをあまりするタイプではないので。いいときはいいけど、こじれたりした場合に、ちょっと寂しいじゃない。だから、礼儀に関しては忘れないようにって。やっぱり子供の頃、『ぬかるみの女』とかのドラマを見てしみついた気遣いの精神が多大にあるんじゃないかと思います。
―― いま自分が出ている番組以外で好きなテレビ番組とかはあるんですか。
IKKO 『ニッポン応援団』『ナゼそこに? 日本人』とか、あの辺が好き。あと『ヒャッキン!』も見てたわね。逆に、海外の人たちが日本に来てっていう『YOUは何しに日本へ』もけっこう好きで見てますね。『ポツンと一軒家』も好き。あと、NHKの歴史ものとかも。どうやってこの人物はこの時代、こういうふうに名を残していったかとかっていう人生観を描いたような番組。ドラマでいうと、今、宣伝大使をやらせてもらっている『凪のお暇』は面白いですよね。三田佳子さんの、あの役が面白くない?「小銭漁りババア」。スゴいわよね~。
―― 今後出てみたいテレビ番組はありますか。
IKKO 私、芸事に関しては学んできたわけでもないし、特別な才能があるわけでもない。芸能界の皆さんにかわいがってもらって、マイペースで今まで通り楽しく出させていただければ幸せだなと思います。美容の世界では、私にしかできないものっていうものをやって行きたいと思います。そうやって、テレビと美容のふたつのバランスがうまく取れていくと嬉しいなと思います。そのための努力をしていきたい。
―― お話を伺って想像以上にIKKOさんが「テレビっ子」なんだっていうのがわかって嬉しくなりました。
IKKO テレビを通して、時代、時代でいつも「幸せ探し」をしているみたいですよね。ちょっと小さな幸せ探し。やっぱり人間って弱いから、先人の人たちがやってきたことや考えてきたことをテレビで見て、何か道しるべにしているような気がします。だから最後にこう書いておいて。「テレビに乾杯。愛を込めて、IKKO」って(笑)。
写真=宮﨑貢司
◆#1 「スチュワーデスになりたい」IKKOさんが“自分は女性だ”と気づいた小学1年のとき
https://bunshun.jp/articles/-/13538
◆#2 IKKOさんが語る“テレビ界の恩人”「死化粧のとき、逸見政孝さんの目から一筋の涙が……」
https://bunshun.jp/articles/-/13539
プロフィール
1962年生まれ、福岡県出身。横浜・元町の美容室で8年間修業した後、1992年に「アトリエIKKO」を設立。「女優メーク」と呼ばれる独自のヘアメーク術で、テレビ、雑誌、舞台など幅広く活躍する。2003年「ジャスト」(TBS系)に出演し、テレビデビュー。「おネエ★MANS」(日本テレビ系)などにレギュラー出演。2007年「どんだけ~」が新語・流行語大賞にノミネートされる。