秘書室長時代の“北朝鮮スキャンダル”
北朝鮮と文氏の親密すぎる関係を示すエピソードはこればかりではない。
07年、文氏は大統領秘書室長となり、「盧武鉉の影法師」と呼ばれる実質的な“ナンバー2”にまで上り詰めるが、このときに、あるスキャンダルを起こしている。
「07年11月、国連の北朝鮮人権決議表決の際、北朝鮮に“電話告知文”を送らせ、その意向をうかがい、その後、棄権を決めたのです」(前出・外務省関係者)
このスキャンダルは、当時の宋旻淳(ソンミンスン)・外交通商部長官が16年に回顧録で〈(北に)尋ねるべきではないが、文室長が尋ねようと言っている〉というメモを公開したことにより、明るみにでた。
その文氏が大統領を目指すようになるのは、09年5月に盧武鉉氏が家族の金銭スキャンダルを苦に自殺してからだとされる。
12年に政治家となった文氏は同年の大統領選に出馬。このときは朴槿恵氏に敗北したものの今年5月、リベンジを果たし、大統領の座についたことは周知の通りだ。
合言葉は「親日清算」
一方で、文政権誕生の背景には、文氏が「親日清算(韓国内の親日派の影響力を排除する)」を合言葉に国民の支持を広げてきた事情がある。
「文氏は大統領選で朴槿恵政権下での慰安婦合意を『再交渉する』ことを公約に掲げましたが、親日勢力とは、朴槿恵氏とその父、朴正熙元大統領らを指します。さらに大統領選前の昨年7月に、竹島に上陸していますが、これも“ポスト朴”を意識しての反日アピールでした」(別の外務省関係者)
韓国内のメディアも、文氏を次期大統領候補に祭り上げていくなかで、こんな“珍事件”も起きた。
「昨年9月、文氏のツイッターなどに突然、卑猥な画像が大量に映ったAVのジャケット写真がアップされたのです。そのAVは日本人の素人モノで、すぐ削除された。いつもなら飛びつくマスコミもほとんど報じず、文氏側も何の説明もしなかった。ハッキングされたのか、自ら誤ってアップしたのかは今も不明です」(前出・在ソウル記者)
当時韓国では、建国の祖・太祖一族を褒め称える歌集「竜飛御天歌」にちなんで、「文飛御天歌」という言葉が飛び交ったという。