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“独島エビ”を出すレストランを訪れると……

「韓国人の私でも“独島エビ”という名称を初めて聞きました。韓国のネットでも、独島エビはキーワードランキングで1位に。実は韓国には他にも、『独島アワビ』『独島サザエ』、さらには『独島チキン』『独島コーヒー』などが商標登録されています。実際にチキンやコーヒーが独島にあるわけではないのですが、“反日”はそれだけウケがいい」(韓国人記者)

 実はこの晩餐会のメニューを企画・総括したのは、ソウル中心部にある創作韓国料理のレストランの女性経営者だ。

 小誌記者が、この店を訪れたところ、蒸した小さなボタンエビ5匹が“独島エビ”として、約4500円で提供されていた。

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ボタンエビらしき“独島エビ”

 従業員はこう証言する。

「エビにはいくつか名前の候補があったのですが、最終的に独島エビという名称に決めたのは青瓦台です。こんな騒ぎになってしまい申し訳ないとオーナーも言っていました」

 独島エビに対して日本の菅義偉官房長官は「どうかと思う」と不快感を表明したが、韓国の外交部は「問題提起は不適切」とこれをつっぱねた。

「もっとも韓国大統領府は、晩餐会に“独島エビ”を出すことを事前に外交部に相談していなかった。これはセキュリティーの観点からも普通、ありえません。晩餐会では、料理を残していた参加者も結構いました」(在ソウル記者)

元慰安婦・李さんはなぜ晩餐会に?

 前出の元慰安婦・李さんは「独島エビは甘くて、おいしかった!」と語るが、そもそも彼女はなぜ晩餐会に出席することになったのか。李さんが語る。

「最初、外交部から私に招請状が来ました。私が青瓦台に行くと、大統領秘書室長の任鍾ソク(イムジョンソク ※ソクは析の下に日)氏が『私たちがあなたを招待しました』と言っていました。15年12月の日韓政府による慰安婦に関する合意は何の価値もない合意です。トランプ大統領には『慰安婦問題と歴史問題を解決して、ノーベル平和賞をお受けください』と言いたかったが、機会がなくて言えませんでした」

仕掛け人のイム・ジョンソク氏

 前出の在ソウル記者は、今回の文政権の対応ぶりについて、こう指摘する。

「米側の制止をふりきってまで“生中継”を強行したのは、トランプと近しいことを国民に印象付けたかったから。晩餐会での元慰安婦の招待、独島エビの提供も、反日のスタンスを国内にアピールすることで高支持率が維持できると考えたからです。小手先のパフォーマンスをすることに躍起で、後の影響を考えていない典型的な例ですよ」

 目先の人気取りのために場当たり的な対応をするポピュリスト……と、ここまで書いてくるとイヤでも思い出す“御仁”がいる。

 普天間基地の移設をめぐり、具体的な方策もないままに「最低でも県外」と発言し、日米同盟を毀損した鳩山由紀夫元首相である。