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西城秀樹「フィリピンで銃を向けられたあの日」——旧知の写真家・中村昇氏が語る

西城秀樹「フィリピンで銃を向けられたあの日」——旧知の写真家・中村昇氏が語る

2019/08/28

秀樹は「ほしい表情、ほしいポーズをしてくれる」

 当時のグラビア撮影は、いろいろとシチュエーションを決めて、湘南で海に入ったり、横浜のホテルに行ったりと、今ではちょっと考えられないほど、自由でしかも過酷。けれどどんなときも、秀樹さんは裏表なく、飾らない表情を見せてくれたという。

「特に言葉で説明しなくても、すぐにシチュエーションや雰囲気をのみこんで、ほしい表情、ほしいポーズをしてくれる、とても撮りやすい被写体だったですね」

 そういう中村さんだが、いちばん好きだったのはステージの彼を撮ることだったという。

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1976年大阪球場コンサート、たったひとりで観客をのみこむ ©中村昇
1975年大阪球場コンサート、楽しんで歌っている様子が伝わってくる表情 ©中村昇

「とにかくカッコ良かった! スタッフとも親しかったから、照明や音響の機材の上や、クレーンに一緒に乗せてもらったりとか、最高のポジションで撮影させてもらっていました。だから、自分でいうのもなんですが、ステージの写真は誰にも負けない、いい写真がたくさんあると思います。

 リハーサルから撮影することも多かったのですが、リハーサルでは細かくテストを繰り返していて、話しかけられないくらいとてもデリケートになっているんです。でも、本番になると彼自身もすごく楽しんでいるのが伝わってくる。歌っているときに僕を見つけると、目線をくれたり、ときにはニコって笑ってくれたりするんですよ。そんな表情をレンズ越しに見ていると男の僕でもゾクゾクしちゃう瞬間がよくありました」

1976年大阪球場コンサート、ヘッドフォンを付けて歌う ©中村昇

 年齢を重ねて円熟していく彼のステージをもっともっと撮り続けていたかったというのが中村さんの想い。9月26日発売の西城秀樹写真集HIDEKI FOREVER blueには、どうすればこんな表情が撮れるのだろう!と思うような迫力ある秀樹さんの写真も多数掲載されている。

INFORMATION

●特設サイトhttps://www.shueisha-int.co.jp/hideki-forever-blue/

●西城秀樹写真集『HIDEKI FOREVER blue』の出版を記念して、メモリアルパネル展開催!
場所:三省堂書店池袋本店 
開催日:2019年10月01日 ~ 2019年10月14日
http://ikebukuro.books-sanseido.co.jp/events/4765

西城秀樹「フィリピンで銃を向けられたあの日」——旧知の写真家・中村昇氏が語る

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