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 また厚労省は2015年にオワハラが社会問題になった時、塩崎大臣が記者会見で次のように説明している。

「最近の報道にあるような学生の意思に反して就職活動の終了を強要するようなハラスメント的な行為、いわゆる『オワハラ』を企業の方が行わないように留意をしていただきたいというふうに思います」

「後付け推薦」「ルート変更」は、厚労省の言うオワハラの一種と考えて良いのではないだろうか。

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では「後付け推薦」への現実的な対策は? 

 困った就活生の中には、大学キャリアセンターに相談する人もいる。現状、「後付け推薦」「ルート変更」は、大学のキャリアセンターにより様々な解釈がある。

「後付け推薦は辞退していい」「学生個々人の判断に任せる」「後付けだとしても推薦なら内定辞退はできない」……

 特に企業に対して立場の弱い大学の中には、次年度からのペナルティを恐れ、辞退させない対応をとるところもあるようだ。

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 このように大学ごとに判断が分かれている状態は健全ではない。何より一番被害を受けるのは学生自身である。よって判断を統一するためにも、2015年のオワハラ問題の時のように、厚労省から明確にメッセージを出すことを期待したい。

「後付け推薦やルート変更はオワハラの一種であり、学生を困らせないでほしい。推薦制度は、大学が学生を取りまとめて企業へ送り出す従来方式のみを活用してほしい。後付け推薦やルート変更の場合は学生が内定を辞退しても問題なしとすべきだ」

 このようなメッセージが伝われば、世論は支持すると思われる。もし改善が見られない場合は「優ジロウ」(ホワイト企業・ブラック企業判別サイト)に、「後付け推薦」「ルート変更」の項目を作り、社名の公表も検討すべきだろう。

 ブラック企業という言葉があるが、「後付け推薦」「ルート変更」は就活生を困らせるブラック採用と言えるだろう。企業はすぐに対応を検討すべきだ。先輩から後輩へ悪い噂が伝わり、長期的には優秀な人材を採用できなくなるだろう。