上野氏は報道を受け、「金銭の要求など不正なことはしていないが、政府に迷惑をかけたくない」として政務官を辞任する意向とのこと(NHK NEWS WEB 8月28日)。野党側からは説明責任を求める声が相次いでいる。
甘利明氏は封筒をポケットにしまったのか?
甘利明 自民党・選挙対策委員長
「パーティー券にして」
『週刊文春』
あっせん利得処罰法違反の疑いといえば、真っ先に思い出すのは2016年に経済再生担当相を辞任した甘利明氏だ。安倍首相の盟友中の盟友として知られ、現在は自民党の選挙対策委員長を務めている。
2013年から14年にかけて、千葉県の県道千葉ニュータウン北環状線工事の用地をめぐり、工事を担う都市再生機構(UR)とトラブルになった千葉県の建設業者「薩摩興業」が甘利氏の事務所に口利きを依頼。甘利氏の公設秘書が計600万円を受領したほか、甘利氏自身も50万円入りの封筒を2度にわたって受け取ったとされている。
薩摩興業の担当者だった一色武氏によると、2014年に地元事務所で甘利氏と面会した際、公設秘書の合図で封筒に入った50万円を手渡すと、甘利氏は公設秘書に「パーティー券にして」と指示。一色氏は「いや、個人的なお金ですから」と言うと、甘利氏はポケットにしまったという。
睡眠障害を理由に公の場には姿を現さず
2016年1月、甘利氏は閣僚を辞任。会見では自身と秘書が現金を受け取ったことを認めた。その後、甘利氏は睡眠障害で療養中として、公の場に姿を現さなかった。
2016年5月、東京地検特捜部は甘利氏と秘書らに対して不起訴処分を下している。甘利氏は2018年9月の自民党総裁選で安倍陣営の事務総長を務め、2018年10月には選挙対策委員長に起用された。会見で甘利氏は、「何の刑事事案にもなっていない。検察の捜査がすべてだ」と疑惑は解消されたと主張している(朝日新聞デジタル 2018年10月2日)。