口利き疑惑は片山さつき氏にも……
片山さつき 内閣府特命担当大臣(地方創生、規制改革、男女共同参画)
「うまくいったら、百万円なんて決して高いものじゃないわよね」
『週刊文春』2018年10月25日号
甘利氏の口利き疑惑とよく似ていたのが、片山さつき氏の口利き疑惑だ。2015年、会社経営者が青色申告の取り消し回避をめぐって、口利きを依頼したもの。片山氏の私設秘書が100万円を受け取った。片山氏は旧知の国税局長に電話をかけ、「うまくいったら、百万円なんて決して高いものじゃないわよね」と語ったという。
2018年10月、片山氏は記事が「全くの虚偽」として文藝春秋に損害賠償を求める訴訟を起こしたが、会見では「弁護士から裁判外で今まで以上の説明は控えてもらいたいと言われている」として説明を避けた(産経新聞 2018年10月23日)。
国会でも「訴訟上の問題なので控えさせていただく」と具体的な説明を避け、音声データについては「自分の声かどうか、ちょっとあれでは判断がとてもできない」と逃げた(朝日新聞デジタル 2018年11月3日)。
あっせん利得処罰法の“盲点”
あっせん利得処罰法は構成要件の厳しさがかねてから指摘されている。元衆院議員の若狭勝弁護士は「国会議員の権限をちらつかせなければいけない」「すごい力がある人であればあるほど、国会議員の権限をちらつかせる必要もなく役所にうんと言わせやすい。そうすると逆にあっせん利得処罰法の適用には遠のいていく」と指摘している(FNN PRIME 2018年10月19日)。
甘利氏を厳しく追及していた産経新聞は、「口利きビジネスの横行を許す余地のある構成要件を見直さない限り、国民の政治不信は深まる一方と言わざるを得ない」と記していた(2016年5月31日)。