昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2019/08/31

文大統領が聴聞会での反対を押し切る可能性も

 28日には、曺国前秘書官を糾弾するキャンドルデモが母校、ソウル大学で開かれた。ここで、ソウル大学総学生会長はこう語った。

「平等を叫んできた知識人でありながら、法の網をくぐり抜け、社会的地位を守るため全力を尽くしてきた曺国教授が法相になればこれは公正と正義という価値に完全に背反する」

 キャンドルデモ精神を誇ってきた文政権の側近が、キャンドルデモにより糾弾されるというアイロニー。

2016年11月ソウルで行われた朴槿恵大統領(当時)の退陣要求デモ ©iStock.com

 奇しくも翌29日には、このキャンドルデモにより弾劾・訴追された朴槿恵前大統領、その友人、崔順実氏、李在鎔サムスン副会長の上告審裁判が行われた。朴前大統領の友人、崔氏もまた娘を名門大学に不正入学させていて、当時、世論から激しい糾弾を受けた。

 上告審の判決は3人とも高裁差し戻しとなり、量刑は重くなる可能性もあるといわれる。

 曺前秘書官の人事聴聞会の日程を巡り与・野党の攻防が続いている(30日現在)。

 9月初めに開かれなければ文大統領が反対を押し切って指名するのではないかという見方もでてきた。もし、曺前秘書官が法相となれば文政権はレームダックに陥り危機的状況になるという声も聞かれる。しかし、前出の記者はこう話す。

「文大統領の支持基盤層は大きくは崩れない、支持率も40%を割ることはないとみられています。それは、保守派の野党があまりにも弱いためです。今でも、保守派内で揉めていて力はない。こういった内政事情に加え、現在の日本との緊張関係をある程度、保たせていけば、曺前秘書官が法相になっても来年4月の総選挙でも勝てると与党は踏んでいるようです。ただ、ここに来てGSOMIA破棄に対し米国側の猛反発が伝えられ、対米関係の摩擦は国内で波紋を呼びそうです」

 文大統領はそんな状況下でも曺前秘書官を法相に推すのだろうか。そして、いずれの結果にしろ韓国の若い世代はこれからどう動いていくのか。

 日本はこの動向をきっちり見極める必要がありそうだ。

この記事の写真(4枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー