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「脳の回復を遅らせる」脳震盪になったらやってはいけないこと

 脳震盪に対する医療的な処置は「安静を保つ」ことに尽きるのだが、逆に朝本医師は「やってはいけないこと」を3つ提示する。

(1) スポーツ

(2)車の運転

(3)スマホやパソコンを使う

 1は試合や練習中に脳震盪を起こしたことを想定したもの。競技への復帰は医師の判断を仰ぐべきだ。

 2は、吐き気やめまいがある状況での運転は危険だし、そもそもその状況で車を運転すれば、患者自身が気持ち悪くなるので現実的ではない。

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 そして朝本医師が強く呼びかけるのが、3のスマホやパソコンの使用厳禁だ。

「スマホやパソコンのブルーライトやバックライトは、明らかに脳の回復を遅らせる。ブルーライトカットフィルムなどを使っても、脳がびっくりした状態では関係ありません」

事故などで頭を一発打っただけなら、「CTE」の心配はなし

 ところで、脳震盪と診断された人の中に、冒頭で触れた「CTE」を不安視する人が増えている件について、朝本医師はこう指摘する。

「CTEは“パンチドランカー”とほぼ同義語。ボクサーのようにつねに頭部に打撃を受け続けると、脳震盪の状態が慢性化し、十数年という長い時間を経て脳が萎縮することがある――という病態です。転倒や事故で頭を一発打っただけの脳震盪なら、CTEの心配はありません」

©iStock.com

 映画『コンカッション』の公開以降、スポーツ界、特にコンタクトスポーツの分野では、脳震盪に端を発する後遺症についての議論が湧き上がっている。

 しかし、一般の人が日常生活の中で頭を打った――というケースであれば、まずは慌てずに、冷静な対応を取るべきなのだ。