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SNSに動画や写真をアップしたくなるゲーム

 次に何をすべきかの明確な指示はない。困ってる村人もいなければ、これ見よがしな大事件も起こらないため、至れり尽くせりな最近のゲームになれている人ほど最初は戸惑うことになる。

 しかし襲いかかってくるモンスターから身を守るために簡易的な住居を建設する頃には、自分が作りたい建築物に必要なブロックがわかり、それを作るには何の素材が必要なのかがわかってくる。素材を求めて探索することで、少しずつ世界が広がっていく。そうしてプレイヤーは広大な世界で好きなことを好きなようにやり続けるのだ。

ブロックを組み上げて巨大な建物や街を造ることが可能。写真は『Minecraft』内のマーケットプレイスで販売されている世界「THE BASTION」(制作「Shapescape」、画像は筆者がプレイ中の画面)

 2010年にアルファ版、同年12月にベータ版をリリース。2011年の1月には累計販売本数は100万本を突破。プレイ映像の配信や画像の利用を許可したことも人気に拍車をかけた。アイデア次第でさまざまなことができるため、遊んでいると自分が作った建物の作り方などを動画や写真でアップしたくなる。YouTubeには、クリエイティブモードで建築物を作る動画が溢れた。プレイヤーがウェブ上にアップした動画や写真が絶大な宣伝効果を生み、新たなファンを獲得、驚異的な大ヒットにつながっていく。

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『Minecraft』を“デジタルショーケース”としてうまく利用

 その後2014年に、『Minecraft』の開発スタジオであるMojang(モージャン)と共に『Minecraft』をマイクロソフトが25億ドル(2680億円)で買収。産みの親であるマルクスはこのタイミングでMojangを退社している。

 以降はマイクロソフトが新たな要素を追加したアップデートを行ないながらさまざまなプラットフォームでリリースを続けている。

 現在、マイクロソフトは最新技術を世に知らしめるデジタルショーケースとしても『Minecraft』をうまく利用している。先週ベータ版がリリースされた『Minecraft Earth』はスマホを使ってAR(拡張現実)で『Minecraft』を遊ぶゲームだが、マイクロソフトが今年2月に発表したAzure Spatial Anchorsという技術を取り入れることで、現実の世界に配置したARのブロックは、センチメートル単位の精度で複数プレーヤー間でリアルタイムに同期することが可能となっている。同社が開発を進める最新グラフィック技術のリアルタイムレイトレーシング(光線追跡法)もいち早く『Minecraft』に対応することが発表されるなど、ここ数年で『Minecraft』は同社の“顔”的な存在となった。

『Minecraft Earth』オフィシャルトレーラー