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“テトリスを抜いた”ゲーム『マインクラフト』とNintendo Switchが売れ続ける理由

2019/09/23
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誕生から10年目 『テトリス』の販売記録を抜いた

 誕生から10年目を迎えた今年、販売本数は1億7600万本を達成した。

 世界でいちばん売れたゲームに認定されている『テトリス』の販売記録が2014年の時点で累計1億7000万本。

©iStock.com

『Minecraft』は現在も半年で2000万本以上を販売しているため、すでに『テトリス』の販売本数を抜いているとみて間違いないだろう。

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 リリース後、数年で数百万本を売上げ、大企業が買収し、すでにメジャータイトル以上に世間が認知しているゲームのため見落とされがちだが、もともと『Minecraft』の出発点は、ひとりのゲームプログラマーが作ったインディーゲームだ。

 マルクスは大富豪となり、このゲームの成功は多くのフリーランスの作家に希望を与え、現在の市場の活性化につながっていく。

 Nintendo Switchでは、ハードが発売された2カ月後の2017年5月に『Minecraft : Nintendo Switch Edition』のダウンロード販売を開始。

 お笑いコンビのよゐこが出演する任天堂公式のオンライン番組『よゐこのマイクラでサバイバル生活』がきっかけとなり、ハードの特性上、これまで『Minecraft』にふれてこなかった小中学生を中心に、新たにライト層のファンを獲得することに成功する。

 Nintendo Switchのダウンロードランキングでは常に上位をキープ。その人気はいまだ衰えず2019年上半期のパッケージソフトダウンロードランキングでも並みいる任天堂の人気タイトルを抑えて、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』『マリオカート8 デラックス』に次ぐ、3位にランクインしている。

Switch版は、2018年6月に「総合版」にアップデート。タイトルも『Minecraft』に変更され、同時にパッケージ版もリリースされた。クロスプラットフォームに対応したことでPCやスマホ、Xbox Oneのプレイヤーとも一緒に遊ぶことが可能となった(画像は筆者がプレイ中の画面)

 初期テストバージョンの登場から10年。『Minecraft』の驚異的な成功によって、インディーゲームに対する業界内での認識も変わった。

 任天堂も2016年からインディーゲームの開発者向け窓口を設けている。Nintendo Switch用ゲームの開発に必要になる開発機は、5万円程の低価格で購入できるため参入が容易になった。

 Nintendo Switchのソフトをダウンロード販売するニンテンドーeショップでは、インディーゲームをカテゴリー分けせず、メジャータイトルと並列に扱うことで、ライト層が抵抗なくインディーゲームに触れられるように配慮がなされている。

 2018年5月からはNintendo Switch向けの新作インディーゲームを任天堂の担当者が紹介する公式オンライン番組『インディーワールド』の配信もスタートした。

 携帯できて場所を選ばずプレイできるNintendo Switchと、手軽に遊べるインディーゲームは親和性が高く、すでに多くのヒット作が生まれている。

 後編では、Nintendo Switchで遊べる注目のインディーゲームを紹介する。

◆Minecraft
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