インディーゲーム=『カメラを止めるな!』
インディーゲームとは小規模、独立系企業または個人が開発したゲームのこと。低予算だが作家性が強く出たアイデア勝負の作品が多いのが特徴だ。ゲームを遊ばない方は、昨年話題となった『カメラを止めるな!』のようなインディーズ映画のゲーム版と思ってもらうとわかりやすいかもしれない。
ダウンロード版をメインに販売されていることもあり、低価格なのも魅力だ。Nintendo Switchのソフトでは高いものでも4000円以下。ほとんどのタイトルが1000円~2000円台で購入できる。定価6000円~7000円台のものが多い任天堂の人気タイトルと比べるとかなりリーズナブルといえるだろう。
ここ数年で世界のインディーゲームシーンが活性化した背景にはクリエイター向けの開発ツールの価格が下がったこと、PCゲームのダウンロード販売が手軽に行えるプラットフォームが普及したことなどが挙げられる。米Valve社の運営する世界最大級のPCゲーム配信プラットフォーム「Steam」では2014年頃から一気にリリースタイトルが増加している。
スウェーデンのクリエイターが作った『Minecraft』
インディーゲームの存在を世間に知らしめたゲームといえば、スウェーデンのマルクス・ペルソンが開発した『Minecraft』だろう。普段ゲームをしないかたもゲーム名ぐらいは聞いたことがあるはずだ。
『Minecraft』は、箱庭的な世界で自由に遊ぶ「サンドボックス」(英語で砂場の意味)というゲームジャンルの“自由”の部分を極限まで高めたようなゲームだ。マルクスが1人で制作し、2009年に発表した初期バージョンから、驚異的な自由度の高さがゲームファンの間で話題になっていく。ウェブフォーラムでマルクスがNotch(ノッチ)のハンドルネームでプレイヤーと語り合い、意見を取り入れながら、新しい要素を加えたアップデートを繰り返すというスタイルも熱心なファンを生み出した。
たとえば、クリエイティブモードはファンの声から生まれた。同モードでは、体力、空腹度といったサバイバルの要素はなくなり、プレイヤーはすべてのブロックを無制限に使って、ひたすら建築に明け暮れることができるのだ。このモードの存在がのちに『Minecraft』の大ヒットに貢献することとなる。
『Minecraft』が他のゲームと大きく異なるのはそのプレイ感だ。メインとなるサバイバルモードでは、ゲーム自体に明確な目的はなく冒険に出るのも建物造りに精を出すのもプレイヤー次第。
世界を構築する立方体のブロックにはそれぞれ材質があり、森の大木からは木のブロックが、石壁からは石のブロックが取れる。羊を倒せば、羊の肉と羊毛ブロックになる。そうして集めたブロックや素材を使って、さまざまなアイテムを作ることができる。
木を切って集めた原木から作った木材3つと羊毛3つを組み合わせるとベッドになり、そこで寝ることで体力が回復する。3本の棒と2本の糸で釣り竿を作れば海で魚を釣ることができるといった具合に、作ったアイテムを使うことでやれることも増えていく。