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「相手が大きく見えた」 バスケ日本代表が口々に語った世界との「差」

2019/09/14
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ファウル数が出場32チーム最少の意味

 例えばラグビー日本代表は総合格闘家・高阪剛氏の指導を受けて、それを2015年大会の躍進につなげた。バスケはラグビーと違って「寝技」の要素こそないが、プレーの中に格闘技的な要素は少なからずある。例えば力が入りやすい姿勢、重心の維持はあらゆる競技の基本だ。

 NBA経験のある渡邊雄太(メンフィス・グリズリーズ)はこう述べていた。

「海外の選手はフィジカルが強い上に、まず向こうから身体を当ててきていました。僕はアメリカで経験していましたが、ヨーロッパ勢の身体の使い方はまた少し違う。日本は僕も含めて全員が後手になってしまい、身体をぶつけられてから対抗しようとしていた」

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渡邊雄太(左:メンフィス・グリズリーズ)と八村塁(中央:ワシントン・ウィザーズ) ©AFLO

 チームが5試合で記録したファウル数は71個。1試合平均14.2個という数字は出場32チームの最少で、全試合で相手チームを下回った。チームがコンタクトプレーで後手を踏んでいた一つの証明かもしれない。

 日本が世界のトップなら“後の先”で相手を受け止めてから返す横綱相撲でいい。しかしラマス・ジャパンは若く成長途上で、せいぜい平幕レベル。「機先を制する」姿勢が不可欠だった。

 選手たちは筋肉量、パワーも上げていかなければいけない。さらにいえば技術、戦術とすべてのバージョンアップが必要だ。一方であらゆるプレーのベースは戦う意思と闘志。自分から仕掛ける意識の獲得、気後れの払拭は2020年とその先に向けた日本バスケの最優先課題だ。

「相手が大きく見えた」 バスケ日本代表が口々に語った世界との「差」

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