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 地下のホームから改札を抜けて階段を登って外に出た。すると、そこは“梅田”という町とひとつづきになっているような街であった。近くには東横イン梅田中津1など、“梅田”の名を冠するホテルがいくつかあるし、周囲には高層ビルがいくつも建っていた。オフィスなのかマンションなのか、おそらくその両方だろう。また予備校もあるようで、予備校生と思しき若者たちの姿もあった。思えば東京でも新宿駅のお隣・代々木駅は代々木ゼミナールの最寄り駅。“大ターミナルのお隣は予備校の駅”はお決まりのようなものなのだろうか。

新しい高層ビルに囲まれている中津駅

利用者数は梅田駅の10分の1以下

 ちなみに、大ターミナルのお隣という点でいうと、新宿のお隣小田急線南新宿駅が思い起こされる。こちらは新宿駅の駅勢圏に含まれているおかげで大都会の中にあるのに小田急線全駅の中で2番目に利用者数の少ない駅だった。では中津駅はどうかというと、御堂筋線最低ではなかったが、1日の乗車人員は2万290人。梅田駅が21万9739人だから10分の1を下回る。やはり、ターミナルである梅田駅まで歩く人が多いのだろう。

「中津行き」を示すメトロの案内板

 結局、中津駅の構内や周囲を歩き回っても、“終点”になるほどの駅かどうかはよくわからなかった。ただ、よく考えれば“中津行き”があるということは逆に中津駅始発の電車もあるということ。梅田周辺で働く人たちが南方へと帰宅するために電車の数を増やす必要があり、そこで中津始発の電車を設定、結果として“中津行き”の厄介電車が生まれてしまったのだろうと思われる。

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もうひとつの「中津駅」

 さて、このように大都会の町中に佇む(と言っても地下駅であるが)中津駅。ところが、「中津」と名乗る駅はこの御堂筋線の駅だけではない。ごく近くに阪急の中津駅もあるのだ。こちらもターミナル・梅田のお隣。つまり、南新宿駅や御堂筋線中津駅のように利用者数の少ない小さな駅なのだろうか。せっかくなので足を運んでみた。

今回の路線図。御堂筋線、阪急電車ともに、淀川を南に渡ると始めに「中津駅」がある。二つの中津駅は歩いて5分程度