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車のエアコンを「寒いので消してください」

 発汗量が少なく、暑さに対しては非常に強いという中村の特性も今回の酷暑のコンディションでプラスに働いた。30度を超える気温に加えて、銀座や皇居周辺の大通りではアスファルトの照り返しも非常にキツい。もしもうすこしだけ気温が低ければ、設楽の大逃げも決まっていたかもしれない。

途中まで独走していた設楽は14位に終わった  ©杉山拓也/文藝春秋

 そんななかで中村陣営は「この時期でも車中でエアコンをつけていると、すぐ『寒いので消して下さい』と言うくらい暑さには強い。だからとにかくレース本番は、暑くなってくれと祈っていた」のだと話した。

ゴール直後の中村 ©杉山拓也/文藝春秋

 駅伝強豪校でもある三重県の上野工高(現・伊賀白鳳高)出身。

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 今回は高校時代に師事し、12年に死去した町野英二さんから贈られたこんな言葉を胸に刻んでレースに臨んだと言う。

「激流を流れる木の葉のごとく、石や流木を避けながらレースをしなさい」

 まさに木の葉のように、レースの流れに乗り、それを読み切った会心のレースだった。

 

1位の中村(左)と2位の服部  ©鈴木七絵/文藝春秋