9月20日にいよいよラグビーワールドカップが日本で開幕する。オリンピック、サッカーW杯と並んで「世界三大スポーツイベント」に数えられる同大会がアジア圏で開催されるのは初めてのこと。史上初の「ベスト8進出」を目標に、世界最高峰の戦いに挑む日本に対してエールを送る人物がいる。
「(日本は)本当に『優勝を信じて』応援してくれる人の声だけを力にして、頑張った方がいい」
こう語るのは、15年のイギリスW杯の日本代表にも選ばれた畠山健介(プロップ)と廣瀬俊朗(スタンドオフ)だ。そんな2人が、現在発売中の「文藝春秋」に掲載された「ラグビーW杯 日本は本気で優勝を狙え!」で対談を行った。
日本に有利な“もう1つのポイント”
4年前のワールドカップでは過去優勝2回の南アフリカを相手に一次リーグ初戦で勝利を収め、世界中を驚かせた。今年9月6日に行われた南アとの4年ぶりの試合は7-41で敗れたが、これはまだ「W杯の前哨戦」。課題が浮き彫りになったものの、20日からのW杯本番ではまた別の戦いが始まる。
日本が有利な点は、自国開催であることに加えて「もう1つある」と畠山氏は指摘する。
畠山 前回(15年W杯)と比べて今回非常に恵まれているのは試合日程。前回は南ア戦から中3日でスコットランド戦で、チームとしての準備が間に合わなかった(10‐45で敗北)。今回は自国開催というアドバンテージに加えて、すべての試合が週末に組まれている。1週間あれば試合で受けるダメージも回復するし、相手チームの分析もしっかりして試合に臨める。これは大きいですね。この日程は、本当にうらやましい(笑)。
廣瀬 ホンマやね(笑)。日本の一次リーグ突破(ベスト8進出)のポイントはどう考えてる?
畠山 大きな山が2つある印象です。一次リーグ突破にはやっぱり3勝は必要。となると、どちらかの山は必ず登り切らないと。
廣瀬 アイルランドは世界ランク1位、スコットランドは7位。10位の日本にとってでっかい山やね(9月9日現在)。
試合日程を見ると、一番の鍵は最後のスコットランド戦に見えるけど、あまり打算的にいっても正直仕方ない気もする。最初のロシア戦から一戦一戦勝利を目指すだけ、というのが現場の考えに近いんじゃないかな。