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猫はあの手この手で自分の願いを叶えるちゃっかり者
こうしてみると、この独特なゴロゴロ音は、猫が他者に送るメッセージなんですね。確かにネガティブな意味を伝える状況もあるようですが、飼い猫だと、やはり飼い主に甘えるときにゴロゴロ鳴いていることが多いようです。飼い主が毛布など柔らかい布をかけてリラックスしているとき、猫は前足を交互に揉むように動かす「ふみふみ」と呼ばれるしぐさを見せます。これは子猫が母猫のお乳を飲むときに、お乳がよりよく出るようにしていた行動の名残。このとき、たいてい猫はゴロゴロ鳴いています。ふみふみとゴロゴロはまるで「甘え」セットのようです。このセット行動は、子猫気分が強いときの飼い猫ならではのもの。表情を見ると、うっとりとして恍惚状態になっています。飼い主を母猫に見立て、思い切り甘えているんですね。可愛いじゃありませんか。
こうやって人は騙されるという研究結果が、2009年、イギリスで発表されました。なんでも、ゴロゴロ音とニャーニャーの鳴き声を混ぜた録音を50人に聞かせたところ、多くが、通常の鳴き声より緊急性を感じたというのです。つまり甘えるときのゴロゴロ音と、要求のときのニャーニャーという高い鳴き声をうまくミックスさせることによって猫が、ちゃっかり自分の願いを叶えているというわけです。
「ごはんをくれ~」という要求を通すために、あの手この手を繰り出す猫。人よりも一枚も二枚も上手な感じがするのは、私だけでしょうか。