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ゴロゴロ音は猫なりのメッセージ
ではなぜ、猫はゴロゴロと鳴くのでしょうか。いちばん有力なのは、母猫と子猫のコミュニケーションから始まったとの説です。猫は生後1週間で、母猫のお乳を吸っているときにゴロゴロ鳴き始めます。それは、「ここにいるよ、ちゃんとお乳を飲んでいるよ」と自分の無事を母猫に伝えたいから。ゴロゴロ鳴くと体が振動するので、母猫は横たわってお乳を与えていても、子猫の存在を感じることができます。
それでは子猫は本能的にゴロゴロの鳴き方を体得しているのでしょうか? 猫として生まれた以上、教わらなくても反射的にできる生得的行動かもしれませんが、そもそもは母猫から子猫にゴロゴロ鳴きかけたのがきっかけともいわれます。
母猫は、自らゴロゴロ喉を鳴らすことで、子猫に安心感を与えています。そのゴロゴロ音を真似て子猫も喉を鳴らすようになったとも考えられています。母猫と子猫のコミュニケーションでよく見られることから、猫がゴロゴロ鳴くのは、安心感や甘えの気持ちを表現していると広く知られているようです。
ですが猫がゴロゴロ鳴くのは、気分のいい時ばかりではありません。体の調子が悪い時や、ケガをして傷ついている時にも、猫はゴロゴロ喉を鳴らしているのがわかっています。それは、ゴロゴロ音の振動によって、自らを落ち着かせようとしているからだと考えられています。
第1章でお話ししましたが、猫脳は不安や恐怖に素早く反応する扁桃体が、よく機能しています。だからこそ、不安などが刺激要因となってインパルスが伝わり、ゴロゴロの振動が始まるのではないでしょうか。