デジタル終活の必要性が叫ばれるようになってきたが、要となるのは何よりスマホだ。亡くなった家族のスマホが開けられないと、遺族はどんな損失を被るのか。一般に公開されている統計やアンケートをベースに損失額を計算してみた。(全2回の1回目/続きを読む)
◆◆◆
デジタル終活の要はスマホ対策
持ち主の死後、デジタルで管理している財産や契約の数々に遺族がアクセスできずに困るケースが相次いでいる。そうした事情から、2025年2月に独立行政法人国民生活センターは「始めましょう!デジタル終活」というトラブル防止策をアナウンスした。
このリーフレットにある通り、デジタル終活の要はスマホだ。故人のスマホが開ければ、デジタルで残る持ち物も全容が掴みやすくなるので何とかなるケースが多い。逆にロックがかかっていて開けないと困難を極めることになる。持ち主が設定したパスワードが分からなければ通信キャリアも手出しができないし、機種によっては一定回数以上間違えると強制的に中身が初期化されてしまう危険もある。
要にして最大のリスク要因となる故人のスマホだが、実際のところ、開けない場合に遺族が被る損失はいかほどになるのだろうか? 公にされている様々なデータから平均的な損失額を試算してみたい。