ロック解析は不確実。成功報酬ベースで30万円

 そうした不安材料が嵩じたとき、あるいは相続絡みでどうしてもスマホの中身を確かめる必要があるとき、スマホのロック解除を請け負ってくれる外部サービスを頼る手もあるにはある。

 しかし前述のとおり、スマホのロック解除は困難を極める。デジタル遺品サポートをうたう企業でも、スマホのロック解除は対象外とするケースが多い。対応してくれるサービスは少ないながらも存在するが、依頼できた場合も必ず開けられるとは限らない。費用もそれなりにかかる。数百件の対応実績がある企業にかつて平均費用を尋ねたところ、成功報酬ベースで30万円と教えてもらった。

 さて、これまで挙げた逸失財産と経費の目安を合計すると、1万2000円+2万2000円+9050円で、約5万円となる。なかなかの額だ。何らかの切迫した事情があって外部に解析を頼むなら、さらに30万円ほど計上しなければならないが、回収できる確約はない。

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 ただし、損失はそれだけに収まらない。亡くなった後もなお残るサブスク等の支払い義務のことも考えなければならないし、残されたスマホの財産価値がロックの有無で変わってくる可能性があることも頭の片隅に置いておく必要がある。

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