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「マコさんはキツいけど、意地悪だと思わなかった」

――『なつぞら』のマコさんって、最初の方は少しキツいというか、「会社の男はみんな自分のものみたいな顔をして」とか新入社員のなつ(広瀬すず)にズバッと言う先輩役でした。最初、台本を見た時ってどう思われましたか。

貫地谷 マコさんはそういう風に思っちゃったんだ、勘違いしちゃったんだっていう感じで演じてました。でも、マコさんは確かにキツいことは言うけど、それが意地悪だと思わなかったんです。なので、マコさんはただそのことを思ってる、それを伝えるように演じました。

 

――マコさんはやっぱりアニメへの熱意がすごくあって。だからこそ回を重ねていくたびになつの熱意にも気づいて、そこからすごく優しくなりました。演じていて、ガラッて変われるものですか?

貫地谷 やっぱり衣装やメイク、土地の力を借りて。そういうものが変わると見てる人も気分が変わるし。ほんとに、見てる人の色んな想像力なくして作品って出来上がらないので、そう見てくださっているからこそ、そう見えたんだと思います。

――なつもマコさんとときにぶつかりながら、アニメーターとして成長していく。『なつぞら』でマコさんは非常に重要な存在だったと思います。だからこそイタリアに行って出演がない間は「マコロス」とも囁かれました。

貫地谷 私はその時期、ずっと他の連続ドラマを撮影してたので(笑)。あまり空いている感覚もなく……。

 じつは『なつぞら』の最初の衣装合わせの時に「あっマコさんね、まだ本も全然できてないんです。でも社長で帰ってくるから」って言われて、「えっ、社長? しかも帰ってくるの?」って思いました。

 

――イタリアから帰ってきて、マコさんはマコプロというアニメ制作会社を立ち上げ、社長になります。

貫地谷 『なつぞら』の撮影当初はそれも知らない状態だったので、(脚本の)大森寿美男さんはどういう風にマコさんを書いてくれるんだろうと思ったら、ほんとに理解ある上司に描いていただけました。

 じつは先日打ち上げがあって、大森さんに「大人の芝居ができるようになったね」って言われて。私21歳の頃に大森さん脚本の大河ドラマ『風林火山』に出ていて、そのときもすごく魅力的な役だったんですけど。成長を見てくださっているようで、嬉しかったです。

 

――ちなみに『なつぞら』の台本って、どのぐらいのタイミングでもらっていたんですか?

貫地谷 やっぱり朝ドラは長くて作家さんも大変なので、最後は結構ギリギリになってきました。北海道ロケは7月でしたけど、準備稿でやりましたから(笑)。