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12年ぶり朝ドラ・貫地谷しほりが語る『なつぞら』「中川大志君とぶつかるシーンが好きだった」

女優・貫地谷しほりさんインタビュー#1

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「中川大志君とぶつかるシーンが好きだった」

――貫地谷さんにとって印象的なシーンは?

貫地谷 いっぱいありますけど、でも北海道で実際に牛を見たシーンは、もうおったまげましたね(笑)。

 

――マコさんがイタリアから帰国したとき、なつ夫婦に言った「私はね、とうとう子供はできなかったわ」というセリフがとても印象的でした。シリアスな言葉ですけど、表情は明るさを保っているように感じて。

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貫地谷 やっぱりマコさんの人生の中でひとつのトピックだったと思うんです。最初台本でこの場面を読んだ時は、おぉと思いました。でも、マコさんにとって子供ができなかったことが全てではない。やっぱりアニメの世界でやりたいことがあって、「もう前向いてるよ、心配しないで」っていう意味も込めたセリフだったんじゃないのかなって。かたや、なつは子供を産んで幸せな時ですから、事実としてそのことを伝えようと。

 

――撮影で一緒になることが多かったのは広瀬すずさんですか。

貫地谷 すずちゃんと、やっぱり(中川)大志君ですかね。

――中川さんはアニメ演出家・坂場一久役(いっきゅうさん・なつの夫)を演じました。マコさんはいっきゅうさんともたびたびぶつかっていましたね。

貫地谷 ここがキツく思われるかもしれないんですけど、仕事でぶつかるのは当たり前で。意見があるからぶつかれる。意見がない人との仕事ってつまらなくないですか(笑)。そういう意味で、いっきゅうさんとマコさんはすごく楽しんで、お互いぶつかり合いながら仕事をしていたんじゃないかなと思っています。

 

――プロ意識が高いという感じでしょうか。

貫地谷 そうですね。やっぱりプロ意識も高いし、思いがあるからこそぶつかる。でもそれってほんとに素敵なことだと思う。どこの業界もそうかもしれないんですけど。黙っているとやりやすくていい子だ、と。じゃあ仕事をするうえでそれがベストなやり方なのかと言われると、ちょっと違う。時には自分の意見を言うことも必要で。思いがあればあるほどそういうのって出てくるんじゃないのかなと思って。だから私はマコさんがぶつかるシーンがすごく好きでした。

写真=三宅史郎/文藝春秋
#2へ続く)

12年ぶり朝ドラ・貫地谷しほりが語る『なつぞら』「中川大志君とぶつかるシーンが好きだった」

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