太平洋戦争中のフィリピンを舞台に、2人の日本人女性の壮絶な戦争体験を描いたNHK特集ドラマ『マンゴーの樹の下で~ルソン島、戦火の約束~』。日本人の父とフィリピン人の母の間に生まれた日系2世として、戦争に飲み込まれていく少女を熱演して、話題になった山口まゆさん。19歳の彼女に共演した清原果耶さんのこと、憧れの先輩俳優、20歳を前に思うことをお聞きしました。
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大学に入って最初の夏休みは?
――大学生だとお聞きしました。今は夏休みですか?
山口 そうです。今日までなんですけど……(笑)。
――えっ! 貴重な最終日に、お時間ありがとうございます。夏休みは満喫されましたか?
山口 大学の先輩の映画に参加したりしていました。
――大学では何を勉強されているんですか?
山口 映画学科で演技を専攻しています。
――お仕事でも演技、大学でも演技を。
山口 そうなんです。でも演技を専攻しつつも、大学では作品を0から作り上げる裏方の勉強をしたいなと思っているんです。
――ゆくゆくは自分で作品を作ってみたい?
山口 私はまだ1年生なので先になりますが、これから制作の機会が何回かあるので、そこで自分なりに作れたらいいなと。
『ハガネの女』吉瀬美智子さんに憧れて
――そもそも山口さんが女優を目指されたきっかけは劇団四季のミュージカルだったそうですね。
山口 昔のことで、なんだか恥ずかしいですね。当時、バレエを習っていて「絶対バレリーナになる!」ってことしか頭になかった時期に、母に連れられて見に行ったんです。初めての舞台観劇だったんですが、そこで見たダンスや歌で表現される世界が衝撃的で。
――何を観られたんですか?
山口 『サウンド・オブ・ミュージック』です。見た瞬間に、舞台に立ちたい衝動を抑えきれなくなって、すぐにお母さんに相談しました。まずは習い事の1つみたいな感覚で子役専門の事務所に入ることになって。
――そこから今の事務所に移籍されるんですよね。本格的に女優として頑張っていきたいと?
山口 小学生から色々出させてもらって、中学生になって少しお休みしていたんです。もう演技するのは終わりにしようか、とも話していた時に、ドラマにハマって。ちょうど母が『デ☆ビュー』という雑誌を持ってきてくれて、当時放送されていた『ハガネの女』の吉瀬美智子さんが所属されているのを見て単純に「いいな」と思ったのがきっかけでした。そこから今の事務所に入ってお芝居をちゃんと始めることになりました。