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「井上さんみたいになりたい」惹かれたのは“芯の強さ”

――その一方で、木村拓哉さんや藤原竜也さんなど先輩俳優の方々と共演をされることも増えています。

山口 撮影中は、私自身も役に入っているので客観視できないことが多いんです。でもいざスクリーンで映画を見ると、共演させていただいた方々の演技にびっくりしますよね。「こんなすごい演技をする方と一緒にお仕事をさせていただいていたのか」と。

――一番影響を受けた俳優さんは誰でしょうか?

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山口 最近では『明日の約束』というドラマで共演させていただいた井上真央さんですね。撮影中に井上さんの演技を見せていただく機会が多くて。すごく余裕があって、とにかくカッコいい(笑)。役に入り込みながらも、自分自身も殺していない演技なんです。

――自分自身も殺していない演技とは?

山口 良い意味で井上さんの芯の強さを役に感じるというか。井上さんがすごく魅力的だからこそできるんだと思うんです。佇まいとか、人間性にもすごく惹かれました。「井上さんみたいになりたい」ってずっと思っているんです。

 

高校2年生の冬に、井上真央からもらった“アドバイス”

――井上さんにアドバイスをもらうことはなかったんですか?

山口 お芝居については恐れ多くてまだお聞きできていなくて。でも大学受験について相談していました(笑)。

――大学受験ですか?

山口 ちょうど高校2年生の冬の時期に撮影をしていたんですが、大学に行くか行かないかですごく迷っていたんです。そこで井上さんに相談させていただいていました。

――井上さんはどんなお言葉を?

山口 「記念受験として受けるのもいいし、嫌だったら辞めればいいし。でも1回経験してみるっていうのも良いと思うよ」と色々とアドバイスを頂きました。井上さんも子役デビューして俳優として仕事をしながらも大学に進学されていたので、「大学生は両立が大変だけど、楽しいよ」とか話しているうちに、自然と大学に行かなきゃダメだ、と腑に落ちたんです。

 

――そこで覚悟を決めて。

山口 行くんだったらここがいい! と、第一志望に落ちたら大学には進まないという選択をしました。演技に限らず写真だったり美術だったり映画だったり、自分の好きなことを好きなだけ学べる環境として、今の大学を選びました。

――まさに背水の陣で挑まれた大学受験ですね。合格は井上さんに報告されましたか?

山口 してないんです。色んな作品に参加させてもらって、一回りも二回りも成長した自分も見てほしいなって。また共演できるように頑張って、その時に「あの時はありがとうございました」と井上さんに報告したいです。

 

写真=鈴木七絵/文藝春秋

INFORMATION

映画『下忍 赤い影』 

https://genin-movie.com/pc/main/index.html

出演:寛一郎 山口まゆ  結木滉星 津田寛治 他

あらすじ
武士による統治が終わろうとしている幕末。忍者と呼ばれるものは、もはや時代遅れとなっていた。竜(寛一郎)は、忍者組織の最下層である「下忍」の末裔であるが、今や抜け忍となり江戸で暮らしている。そんなある日、竜はその出自を見抜かれて勝海舟(津田寛治)にスカウトされて密命を授かる。それは、「江戸に嫁がせた薩摩藩の姫・静(山口まゆ)を奪還して国に送り戻せ」というものだった。

映画『下忍 赤い影』は10月4日(金)よりシネマート新宿・心斎橋にて公開