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広島カープ、Bクラスで終わったからこそ気づけたもの――2013年のCSから考える“幸せの意味”

文春野球コラム クライマックス・シリーズ2019

2019/10/06
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私はいま、幸せの意味を改めて考えています

 その勢いもあり、カープは阪神に2連勝。自分はファーストステージ突破を甲子園で味わうことができました。旧市民球場時代に知り合ったカープファンの大先輩と大泣きして、抱き合って。懸念していた阪神ファンとのトラブルもありませんでした。いや、それどころか、本当に多くの阪神ファンの方が「おめでとうさん!」あるいは「巨人を倒してきてや!」と声をかけてくれたのです。中には試合中「ワシらには金本が来てくれた恩がある。今日は思い切り応援しいや!」と肩を叩いてくれたお父さんもいました。

 結果としてファイナルステージでは巨人に3連敗してしまいましたが、初のCSでカープが阪神に勝ち、アルプススタンドから見た真っ赤なレフトスタンド。そして試合終了後、夕暮れに染まっていった甲子園の空。それは生涯、なにがあっても忘れることができないほど尊く、あまりに美しい光景でした。

夕暮れに染まっていった甲子園の空 ©ガル憎

 これまでカープにどれだけ喜ばせてもらっただろう。私はいま、幸せの意味を改めて考えています。2013年、真っ赤に染まった甲子園。2016年、25年ぶりの優勝。2018年、球団史上初となる3連覇。4年ぶりのBクラスに終わった今年だからこそ、あの日々、あの光景を「ありがたさ」として思い出せる。あれは当たり前のことではなく、ファン人生の中でも、とてつもなく尊く幸せなものだったんだ。広島に生まれて良かった。カープファンになって良かった。選んだ球団に間違いは無かった。いま、自分は心からそう思えて仕方がありません。

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